ニーサやイデコを始めてみたものの、これでいいのか自信がないという方いませんか。

今村浩二

今村浩二

テーマ:投資・資産運用

昨年の新ニーサのスタートは、これまで投資なんて
考えたことがなかったという人まで含めて、投資や資産運用
について考えるようになったターニングポイントとなりました。
ニーサ口座数は2,508万口座(2024年9月末)ということで、日本の成人以上の人口は
約1億人ですので、4人に1人がニーサ口座を持っていることに相当します。

そんな身近になりつつあるニーサやイデコの投資ですが、スタートへの
ハードルが一気に下がった要因のひとつに、ネット証券の出現があります。
思い立った時に始めることができる手軽さが、口座開設の普及の大きな
推進力となりました。
ネット証券にはそれ以外の魅力として、手数料の安さが挙げられます。

しかしながら、短所も存在します。
ネット証券は手数料が安いという長所と引き換えに、基本的には担当者の
アドバイスを受けることができません。
そのため、多くの人がネット情報やYouTube、投資アドバイスの資格を持たない
タレントや著名人の書籍などを参考に、どのファンド(投資信託)を買おうかと検討します。
こんな風に、投資判断をする際、プロの話を聞く機会がなかった方が多くいらっしゃいます。

今回は、プロに話を聞く機会がなかったという方に、読み応えのある情報を、
証券外務員の免許を持つ、今村浩二がお伝えしていきたいと思います。
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ネット証券で投資を始めた方の多くが利用する投資信託は、S&P500やオールカントリー、
日経225など、特定の指数に連動した運用を目指す投資手法「インデックス運用」
を行っています。
ネットでインデックス投資について調べてみますと、次のような特徴が挙げられています。

・市場全体に投資することができる 
・複数の銘柄に分散投資できる
・長期投資に適している 
・投資効果がわかりやすい


メリットとしては次の点が挙げられています。

・分散投資することで、個別銘柄のリスクを軽減できる
・相対的に運用コストが低い
・指数の動きがテレビやニュースで報道されるため、投資の状況を把握しやすい


いかがでしょうか、『そうそう!』とうなずかれた方も多いのではないでしょうか。
それでは、プロの正しい見方を一気にお話させていただこうと思います。

【インデックス運用って?!】
ファンド(投資信託以下はファンドと表現します)という形態はそもそも、
アクティブ運用からスタートしています。
アクティブ運用とは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の責任者
(個人ではなくチームで運用を行うケースもあります)やアナリストが、
投資する企業の調査、分析を行い、長期的に有望な会社を厳選して投資をする仕組みです。
有望な企業を見極める目が確立されたことによってファンドが普及することになりました。
一方、インデックス運用は市場全体に投資をするため、どの会社に投資をするのか判断する
必要がありません。
そのため、企業の調査・分析に手間やコストがかからず、安価な手数料が可能となっています。
手数料が安価なことで“信託報酬”という実入りは少なくなりますが、残高が多く集まれば、
利益が取れるということで妥協している点があります。
市場全体に投資を行うため、どのファンドも付加価値に乏しくなります。
その結果、信託報酬の安さで競い合うような状況となっています。

【インデックス運用のどこに問題があるの?!】
(1) 優秀なファンドマネージャーが育たない
先述の通り、インデックス運用は、市場全体に投資を行うため、あらかじめ投資する企業が
決まっており、投資先を選ぶ際の企業の調査分析が必要ありません。
そのため、優秀なマネージャーが育たなくなります。
やはりファンドの良し悪しは、手数料の安さではなく、マネージャーのリターン創出能力で
判断されることを忘れてはいけません。

(2) 適正な株価形成という、市場の最も大切な機能を阻害してしまう
日本においては、株式ファンドの運用残高の7割はインデックスファンドが占めています。
こちらは欧米の平均を上回っています。
市場全体に投資を行うということは、是か非か、好きか嫌いかに関わらず、
その市場に存在する会社すべての株式を購入することを意味します。
つまりは、ダメな会社にも平気で投資する、赤字続きの会社なども業績に関わりなく
買い支えることになります。
赤字企業や低成長の企業の割合は、TOPIXやS&P500が投資している銘柄の
10%~30%にも及びます。
みなさんは、このことをご存知でしたか。
手数料が安いからといって、インデックス投資をするのは、まるで中身が分からず、
いらないものや売れ残りが混じっている福袋を買うようなものです。
株式ファンドの7割をインデックスファンドが占めている日本では、本来は買うべきでない
企業の株式も購入されており、その結果、“実力が伴わない株価”がついている企業もあります。
このことが、日本株が新興国並みの株価の下落率になっている要因のひとつとなっています。

(3) 実はインデックスファンドは市場平均ではない?!
インデックス運用は、市場全体に投資を行うので、市場の平均値を
丸ごと買えるのは効率がいいといわれることがあります。
インデックスファンドが連動している代表的な指数で扱う銘柄数は次の通りです。
●TOPIX/日本の上場企業3,839社中、2,135社
●日経平均/上場企業3,939社中、225社
●米国・ダウ平均/たった30社
TOPIXは東京証券取引所、日経平均は日本経済新聞社、ダウ平均とS&P500はともに、
S&P・ダウ・ジョーンズ・インデックス社の商品です。
つまり、誰かが商品として対価を取って提供しているということ。
公的な指標ではなく、公益性はないことを覚えておいてください。

(4) 一番避けたい相場の後追い
指数の対象となる銘柄(企業)は定期的に入れ替えられることで、
悪い会社には退場してもらい、良い会社を新たに迎えることで、その時のふさわしい会社が
組み込まれているからよい、といわれています。
仕組みとしてはその通りです。
しかしながら、入れ替える際の基準に目を向けると、かなり意味合いは変わってきます。

新たに加わる企業⇒株価が上昇して、時価総額が大きく増えたことで組み入れられる
退場する企業⇒その逆
つまり、インデックス投資をしている人は、株価が上がってから買い、
下がってから売っていることと同じです。
株式投資をしたことがない人に「投資を始めるとしたら、どんな状態で株を買って、
どんな状態で売りたいですか」という質問したら、こう答えるはずです。
『安い時に買って、高くなったら売る』
これが基本ですが、インデックス投資では逆の取引をしていることになります。
力のあるアクティブ運用のマネージャーなら、みんながその存在を知るまえに購入し、
退場するような株価まで下落する前に売却するだろうと思います。
つまり、インデックス投資は、結局は非効率な相場の後追いになっているといえます。

(5) 市場平均に合わせることは、安定した運用ができる?!
S&P500はテレビやネット、YouTubeなどでは、市場平均に連動するので
安定した運用ができると言われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
S&P500の値動きに対して、組み込まれている株式の銘柄がどれだけ
影響しているのかというデータがあります。
時価総額が上位10社だけで、全体の6割~7割占めています。
理由は、加重平均という計算方法を用いるため、時価総額、つまりは
規模の大きな銘柄が指数に及ぼす影響が大きくなるためです。
つまり実際には、分散投資のイメージと異なり、少数の銘柄の株価変動に値動きが
左右されやすい特徴を持っています。
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いかがでしたか? あなたがこれまで思っていたイメージと
ずいぶん違う部分があったのではないでしょうか。
情報はある日突然、ひとり歩きしてしまう性質があります。
入道雲のように、強い上昇気流を受けてどんどん大きくもなります。

そんな情報に振り回されないように、みなさまには、今後も良質な
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今村浩二
専門家

今村浩二(ファイナンシャルプランナー)

株式会社ユニバーサル財務総研

女性のためのマネーセミナー「シアワセのマネーレシピ」を開催し、将来にわたり安心できる貯蓄法、運用法を身に付けたい女性を支援。悩みや不安をお金のプロに気軽に相談できる無料相談も随時受け付けている。

今村浩二プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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