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当事者の誰もが心安らかに明日へと踏み出すために、それぞれの立場に寄り添い支える

心穏やかに思いをつなぎ明日へ踏み出す相続のプロ

辻井隆

正面

#chapter1

相続の仕組みや法令を深く理解した遺言執行士・相続診断士としてサポート

 家族や親族が亡くなったとき直面する「相続」。故人の財産を引き継ぐものであり、誰もが当事者になる可能性がありながら「どんな手続きが必要なの?」「何から手をつければいいのか分からない」など、具体的な内容を知る人は多くありません。
 
 「当方は、阪神間を中心にみなさまのもとに直接足を運び、それぞれの事情に添ったより良い相続に向けてサポートいたします」と話すのは、神戸市内に事務所を構える「辻井ファイナンシャル・プロデュース」の辻井隆さん。
 
 公認不正検査士として、30年以上にわたり企業や医療機関などの記帳代行、決算業務に携わる中で、ファイナンシャル・プランナーとして経営者個人の相談にも応じてきました。

 これまでも、遺言書やエンディングノートの作成についてアドバイスをしてきましたが、相続の仕組みや法令について知見を深めたいと、「遺言執行士」と「相続診断士」の資格を取得しました。

 「『遺言執行士』とは、遺言を書いた人の思いをきちんとくみ取り、公平・公正に実現するためのスキルを有した者。実務能力や知識はもとより、経験と高い倫理意識が求められます。十分な理解と準備がなければ、相続が家族や親族間の不満やもめごとの火種となってしまうケースも少なくありません」

 また「相続診断士」として、遺産の分割方法などを客観的に検証。パートナーである司法書士、税理士、弁護士などの専門家と連携して支援を行います。
 「残されたご家族の幸せを願う、せっかくの心配りが無駄になってしまうことのないよう、真摯(しんし)に向き合っています」 

#chapter2

社会で必要とされる役割に気づき、相続全般の相談に応えられるよう注力

 貿易会社に勤めながら大学で経済を学んでいた辻井さん。程なくして大阪の税理士事務所に入り、税務補助に従事します。
 
 「30歳を迎える頃には事業を興したいと漠然と考えていたので、10年ほど働いた節目の年に独立し、前職でご縁があった中小企業や医療機関のコンサルタントとなりました」
 
 長きにわたって企業経営者の資産管理やライフプランニングに向き合う中、次第に明かされる悩み事も変わってきたとか。

 「年を経るにつれ話題の中心は、事業承継や後継者問題へと移ってきました。個人的な資産となると、なおさら複雑な状況が絡み合っていて、どうすればいいのか、一人では決めかねているというお客さまが大半でした」

 子どもたちに平等に残したくても、お墓や祭礼のこと、介護の貢献度など検討事項は多数。「法的な決まり事や、世間一般の通例に照らし合わせて解決策が浮かぶものばかりではありません。一つ一つ相談窓口を訪ね歩くわけにもいかないですから」と辻井さん。

 誰もが口をそろえるのは「自分の相続が“争族”となることだけは避けたい」ということでした。

 「『遺言書の内容が適切かどうかを助言できる人』『遺言書がない場合、相続人一人一人の意思を個別に聞き取り調整する人』。そんな役割が社会で必要とされているのではないかと確信しました」
 
 相続をめぐる紛争予防と、円滑な資産移転を目指して設立された「日本遺言執行士協会」の存在を知り、2022年から遺言執行士として活動をするようになりました。

#chapter3

「どの世代にも正しい理解を」と、地域に暮らす人々の平穏な日常にあたたかい眼差しを注ぐ

 個々の心情に配慮し、細やかに寄り添う辻井さんの元には、将来に不安を感じる子ども世代からも問い合わせがあります。
 「親の気持ちは尊重したいが、自分たちの手に余る」「遺言書を作成してほしいと、自分たちからは言い出せない」といった切実な声も。

 「相続は、今を生きる人たちにだけ関わるものではありません。その人が一生をかけて成したものを、思いと一緒に次世代へ引き継ぐ作業なのです。極端な話、自身が旅立ったあとのことは、ご本人は知りようがありません。だからこそ事前に備え、亡き後も安心して子や孫を見守れるものでなければ意味がないのです」

 辻井さんは「世代間の認識にすれ違いが生じるのを、少しでも解消できれば」と、地域の介護施設や文化施設に赴いて、相続や遺言についての啓発を続けています。
 また、子どもたちにゲームを通して金融リテラシーを伝えたり、防犯活動などのボランティアにも積極的に参加。地域に暮らす人々の平穏な日常に、あたたかいまなざしを注ぎます。

 常に相談者に穏やかに語りかける辻井さんが、心をフラットに保つ秘訣は、学生の頃から親しんでいるというジャズ演奏だそう。
 「サックスからベースに転向したばかり。いつか披露できる日を夢見て練習に励んでいるんです」

 「相続のお手伝いで大事にしているのは、当事者のみなさんが笑顔でその後の人生を送れること」と辻井さん。優しい旋律で、包み込んでくれるようです。

(取材年月:2023年5月)

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辻井隆

心穏やかに思いをつなぎ明日へ踏み出す相続のプロ

辻井隆プロ

遺言執行士

株式会社辻井ファイナンシャル・プロデュース

遺言執行・相続診断の専門知識を有し、公平かつ速やかな相続をサポート。相続にまつわる全般的な相談窓口として、当事者の誰もが心安らかに明日へと踏み出すために、それぞれの立場に寄り添い支えます。

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