科学の楽しさを伝えるプロ
植芝亮太
Mybestpro Interview
科学の楽しさを伝えるプロ
植芝亮太
#chapter1
「机に向かって勉強するだけでは、理科への興味は育ちません。自分自身で実験と観察を繰り返し『どうして?』『なぜ?』と感じることで、答えを導き出す力が身につきます」と話すのは「こもれび薬局」の薬剤師、植芝亮太さんです。
植芝さんが同薬局で、月2回(1回2時間)開講する「こもれび理数塾」では、小学生と中学生が身近な材料を使って体験的に学べる理科実験レッスンを行っています。「子供達は、まず実験器具に触れて使い方を覚えます。そして実験の目的や方法、注意事項を理解した後、実験と観察を行います。実験が終わった後は、結果について考察し、実験内容に関連した問題を解きます」
燃焼実験や蒸留実験、水質検査、速度測定など、驚きと感動に満ちた多種多様な実験プログラムを用意。例えば、割り箸を蒸し焼きにする燃焼実験は、「かなり強い臭いがするのですが、その臭いとともに知識が記憶に刻まれます。この実験は中学入試でも出題されることが多いです」と植芝さん。
また、酸素、水素、二酸化炭素、アンモニアなどを作り、その性質を調べる実験も「面白い」と子供達に好評です。「アンモニアの性質を利用した噴水の実験では、透明の液体が赤に変化する過程を体験できます」
時には、教室という枠から飛び出し、ダイナミックな実習を行うことも。「小学校で習う『相似』を理解するため、三角定規を使ってポートタワーの高さを測定することもあります」
速度を測る実験では、スマッシュしたピンポン球をカメラで連写。そのコマ数からスピードを測定しています。さらに、低学年には「酸性とアルカリ性」を試薬の色の変化で示し、高学年には「酸の正体」や「酸の濃度」「計算方法」「身の周りにある酸性の物」について指導。子供の成長に合わせて指導方法・内容を柔軟に変化させることも特徴です。
#chapter2
授業にしっかり集中できて質問しやすい少人数制(1クラス3名まで)を採用。実験では、薬局で使われている業務用の器具や試薬を使用しているとのこと。物理・化学・生物の知識を備えた薬剤師と薬学生が、理屈だけの理科ではなく「なぜそれを学ぶ必要があるのか」「どのような役に立つのか」を考えながら理科と算数を指導しています。
子供が興味を持ち納得するような授業にしたいと話す植芝さん。「『理科が嫌い』『何のために勉強をするのかわからない』という子も、さまざまな実験を体験し、現象の仕組みを理解できれば、理科に興味を持つようになります。知識を詰め込むのではなく、学びへのモチベーションが上がるように働きかけます」
植芝さんは、薬剤師としての豊富な知識と経験を学習指導に反映させています。「薬や病気への理解度は人によって違います。薬について説明する時も、丁寧に説明した方がいい場合と、要点をまとめて簡潔に説明した方がいい場合があるんですよ。子供もそれと同じです。一人ひとりの子供の理解度が違うので、個性に合わせた説明をすることが大切。子供が理解しやすいように、専門用語を違う表現で言い変えることもあります」
#chapter3
1992年に大学の薬学部を卒業。大学院で物理化学や分析化学を学び、製薬会社に就職。研究職などを経て、2005年に独立。こもれび薬局を元町で開局し、2013年に中央区旭通に同店を移転。「算数や理科がどのように役に立つのか」を子供達に伝えたいという思いが募り、2014年からこもれび学習塾を始めました。「『薬剤師は町の科学者』という原点に立ち返り、子供達に、算数・理科の面白さを伝えたいと思いました」
高校生や大学生向けのクラスも開講している同塾では、大学生と小学生が肩を並べて同じ実験に取り組むこともあるとのこと。「『なぜ、ものが赤く見えるのか』ということを理解できていない大学生もいます。基本的な科学の知識は、大学生よりも小学生のほうが豊富なこともあるんですよ」
こもれび理数塾では、「子供が勉強に興味を持たない」「学習塾に通っているのに成績が上がらない」といった保護者の悩みに応えるため、1回完結レッスン(2時間、有料)と無料体験レッスン(1時間)を開催しています。「開催日時は、ホームページで随時公開しています」
実験を通じて科学への関心を高め、子供たちが自分自身で考える力を伸ばしたい。そんな思いを胸に植芝さんの科学実験授業はこれからも続きます。
(取材年月:2018年11月)
リンクをコピーしました
Profile
科学の楽しさを伝えるプロ
植芝亮太プロ
薬剤師
こもれび薬局・こもれび理数塾
個々の問題点を客観的に評価し、設定した目標に必要な学習プランを作成。1クラス3名まで、問題の演習に重点を置き、家庭学習のペースを管理。LINEで質問受付あり。学習のみならず受験戦略を個別検討。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ神戸に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または神戸新聞社が取材しています。[→審査基準]