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旭泉哲守

英会話力の開発を通じてビジネスを支援するプロ

旭泉哲守(ひいずみてつもり) / 英会話講師

株式会社ドリーム・スレッシュホールド

コラム

社会人になってから身につける英会話力

2021年7月1日

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 英会話 マンツーマンビジネス英語 勉強トレーニング方法

英語が喋れるようになる - とは・・・
「将来的には英語が喋れるような人材になってほしい・・」入社した時、あるいは入社後、上司からそう言われた事はありませんか?もちろんビジネス上の要求ですので遠い将来の夢の話ではなく、できるものならすぐにでもそうなって欲しいとの期待がこもっていることでしょう。そもそも、その期待されている ”英語が喋れるような人材” とはどういう人でどのような姿か、あなたには想像できますか?この問いに対して『このような自分・このような姿ではないでしょうか』・・・と、たとえ概ねでも数年後に期待される自分の姿を想像する事が出来る人は、そういう人材になれる可能性が高いと云えます。逆にそんな姿など見当もつかないと云う人は、残念ながらいわゆる “英語が喋れる人材” になれる可能性は低いでしょう。
社会人が英会話を勉強しようとする時、成功の鍵は英語を喋る数年後の自分をイメージしているかどうかに掛かっているという事です。様々な分野に共通する事ですが、現実的かつ効果的な目標設定には二つの重要な要素があると思います。一つは『1〜3年位の短期間で達成可能』である事、もう一つは『達成した自分の姿をイメージ出来る』事です。『達成可能で自分がイメージ出来る具体的な目標』を持つことが社会人の英会話学習のスタートには特に重要だと云う事です。
なぜでしょうか・・・例えば1年後の英語を喋る自分の姿を『こういうふうになりたい・・・』とはっきりイメージ出来る人は、じゃあ今は何が足らなくて、何が出来ない・・・だから何が出来るようにならなくてはいけない・・・が見えてくるはずです。実際に1年後にそうなれるか3年掛かってしまうか、様々な事由で個人差があるでしょうが、それよりもこの時点で大事なことは、そういう人達は目標に向かって具体的な学習計画を持つことが出来るという点です。一言で英会話学習といってもレベルは当然のこと、その会話の内容も様々ですから、仕事を抱えながらの社会人がはっきりとした目的意識なしで漠然と勉強することは、時間と費用の無駄使いとしか言いようがありません。

達成可能でイメージできる目標を立てる
いま全く喋れないのに、どうやって数年後に英語を喋る自分をイメージしたり具体的な目標設定が出来るのか・・・と疑問を持たれた方も多いと思います。その点についてお話しします。
英会話スクールに通ってレッスンを受けて練習していればいずれ喋れるようになるだろう・・・ではその日はなかなか来ません。来たとしても、あなたが期待するよりずっとずっと先のことになるでしょう。
なのでこうしてはどうでしょう・・・例えば、1年後には、『このレベルの内容』を多少詰まったりする事はあっても、何とか自分の言葉で喋る事が出来るようになろう・・・と自ら目標設定して下さい。ここで上文の下線部分『このレベルの内容』とは、例えば業務上の連絡とか会議に絡む内容で、あまり難しくなくこのレベルの会話なら・・・とご自身が具体的に目標レベルとして意識する内容を選んでみて下さい。エンジニアの方でしたら機械の説明や設計仕様の説明などを英語で行う自分をイメージして下さい。一つに絞る必要はないと思いますが必ず業務上熟知している内容を選んで下さい。よく理解していない内容を英語で説明するのは、中級レベル以上の人でも、とても難しいからです。うまく説明出来なかった場合、それはあなたの英語力不足が原因ではなく、内容に関する知識不足のせいですから何でもかんでも自分の英語力のせいだと悲観するはやめましょう。それでは伸びる能力も伸びません。伝えたい案件の内容をよく理解していて、きちっと頭の中で整理出来ているなら、英語による表現もさほど複雑にならないですし、難しい言い回しにはなりません。本当によく知っている人は、シンプルな日本語で解り易く説明する事が出来るように英語でも同じ事がいえます。
さらにもっと良い方法もあります。同じ部署の上司・先輩・同僚の中に数年後には手が届きそうなレベルの方がいらっしゃいませんか?もしいらっしゃるならその方を具体的な目標にしたり、ロールモデルとして意識し、言い回しを真似したり時にはアドバイスを求めたり出来たらいいですね。英会話力が根付いている会社には、様々なレベルの英語で仕事をしている人がたくさんいらっしゃいますので、その中からターゲット人物を決めてマネから始めてみるのも良いでしょう。とは言ってもこんな恵まれた学習環境に身をおく人は少ないでしょう。もしあなたがその恵まれた環境にいる数少ない人の一人なら、このアドバンテージを利用しない手はありません。
私達の上達に対する欲は無限ですが、持っている時間とお金には限りがありますから優先順位を決める事は大事です。まずは業務上必要なコミュニケーションのみにフォーカスして、可能な限り短期間で自分で決めた目標レベルに到達することを心掛けるべきだと考えます。
因みに・・・外資系企業に働く方々に仕事の話をさせたら冗舌なのに業務後の食事会などの席では無口になる、という方は結構沢山いらっしゃいます。業務を離れた会話の内容は多岐に及び、使う用語も言い回しも知らないものが頻出するので、仕事では何の問題もなく意思疎通できる人達でも会話について行けなくなる事があるのです。しかしながら決して恥じることではありません。私にもネイティブ同士が交わす会話について行けなかった事が過去にあります。
何はともあれ、このことからも言えるのは、業務上の会話(仕事の話)が一番簡単であるという事です。なぜなら会話の目的も大まかな内容もお互いに理解した上での会話ですし、使う用語も毎回新しいものが出て来るわけもなく、慣れ親しんだものが多いからです。こういう事を伝えるにはこのパターン、こういう質問をするにはこのパターン、などの英語表現パターンを準備して日頃から使う練習をしておく事をお勧めします。自分が知っている範囲の用語と得意な言い方を自分で選んで使うことが出来るのですから、業務上の会話、特に喋る事が一番簡単であると云えるのではないでしょうか。

会話力は作文力
では会話力を身につけ伸ばしていくには実際どうしたら良いでしょう。英会話の上達と、スポーツや楽器演奏のそれには共通点があります。理論を学びながら、体が自然に動くレベルに達するまで、実践練習を繰り返して上達していくという点です。英会話の場合、理論とは基本的な語順を含む文法や語彙を学ぶ事で、実践練習とは言うまでもなく文章を作り会話する練習です。言い換えると自分の言いたい事を自分の英語表現で伝える練習です。まず初めは日本語で言いたい事を考えて下さい。ただし頭に思い浮かんだ日本文をそのまま英訳しようとするのはやめた方が良いでしょう。なぜなら、私達のような日本語ネーティブスピーカーは、無意識にかなり複雑な難しい日本語を使って文章を作っていますのでそれをそのまま英訳するのは至難の業です。もしそれができるのであれば、もう一人前の翻訳家のレベルと言っていいでしょう。ではどうするのか・・・まずは自分が言いたい事を、後で簡単な英語の単文で表現できるように短くてシンプルな日本語で表現する(日本語の段階で下処理しておく)事をお勧めします。そうすれば英文への変換もしやすくなるはずです。このような方法で英作文練習を繰り返し行うことで、この『日本語の段階での下処理プロセス』に係る時間が短縮され、英語力の向上に伴ってやがては省略されていくでしょう。
この説明だけでは解りづらいと思いますので一例をご紹介します。
『鳥の声で目覚め、窓を開けると陽の光が差し込んでくる。今日も気持ちのいい朝だ。』これはあなたが今遭遇している状況です。この状況を英語で表現したいと思っていますが何からどう喋っていいか見当もつかず英語が出てきません。・・・そこで日本語の段階での下処理をしてみましょう。
例えば下記の単文でどうでしょう。
1)朝起きたら、鳥の声が聞こえた。
2)窓を開けたら、太陽の光が差し込んできた。
3)私は今日も気分がいい。
この文章ならなんとか英語表現出来そうだぞ・・・と思いませんか?ニュアンスも含めて100%正確にとはいかないまでも、伝えたいことを自分の英語(言葉)で伝えるための一つの方法として、また実践練習の方法としてご参考にして頂ければ・・・と思います。

よくある挫折のパターンとその理由
よくある挫折のパターンを反面教師として紹介します。幼少時に海外英語圏での暮らしが長かった人(いわゆる帰国子女)や欧米の大学を卒業した人など、テレビドラマや映画に登場するバイリンガル主人公のようにとても流暢な英語で、仕事の話のみならずプライベトな話題まで、時にはジョークもネイティブスピーカーと交わす方が同じ会社にいて毎日のようにその姿を見かけるとします。その人の姿を見て私もあのようになりたい、なれる・・・頑張るぞ!と決意する人は少なくありません。そのこと自体は非常に良いことですし努力をしようと決意することは尊いことです。しかしこのモチベーションで英会話学習をスタートすると、ほとんどの方は途中であまりに遠すぎる道のりに気づき挫折してしまいます。仕事を辞めて何年も英語圏の国に住み英会話の勉強だけをすることが許されるなら可能かも分かりませんが、仕事をしながら限られた時間内での勉強でそのレベルに到達するのは不可能と言ってもいいくらい困難なことだからです。いつ頃までにこのレベルになろう・・・とか、まずは仕事の範囲内でこのレベルの会話が出来るようになろう・・・などの意識がないまま、教えてもらう広範囲な内容を一生懸命に勉強しているだけでは、たとえそれなりに上達していても、あまりに遠いゴールに対して近づいた距離がとても微量で気付きにくいのです。そして無力感に苛まれモチベーションを失い、いつしか英語学習から遠ざかってしまうのです。

まとめと補足
以上の事から、社会人の英会話学習においては、目標設定がとても重要である事、具体的な目標だからこそ足りないものが判りやすく、モチベーションを保つことが出来て上達に繋がる事を納得して頂けましたでしょうか。
最後に、このコラムのタイトルに絡み『社会人の英会話力』に関し思うこと・・・を少し書かせて頂きます。まず、なぜ英語での会話が必要か・・・それは言うまでも無く世界中の人達と円滑にコミュニケーションするためには共通の言語が必要であり、それが英語だからですよね。一方、現在世界中でビジネスをしている人々の半数以上は英語を母国語とするいわゆるネイティブスピーカーではない人達だと言われています。アジア圏内でビジネスをする人ならネイティブスピーカーの割合はもっと少ないでしょう。今日、多くの世界中のビジネスパーソンがそれぞれの母国で、それぞれのやり方で学んできた英語を使ってメールのやり取りや直接言葉を交わしているのです。つまり求められる共通言語は “Global Standard English”、言い換えれば一番広く世界中で教えられているシンプルな英語であるべきです。逆にアメリカ人しか使わない言葉や、イギリス人特有の言い回しなどは、その国の人にしか意味や意図が伝わらない英語なのですから “Global Standard English” とは呼べません。私達が使うべき英語は、世界中で広く標準的に教えられている、可能な限りシンプルな英語であるべきなのです。私たちが実際に仕事で使っている英語の90%くらいは中学校で学んだ英語です。ビジネス英会話だから何か違う能力が必要という事は全くありません。中学レベルの基本的な理論(語順を初めとする文法)と実践練習を繰り返す事で十分にその能力を有することが出来ます。これから頑張ってみようと思っていらっしゃる方や今は残念ながら挫折中の方の中に、このコラムをご覧になって『よしやってみよう』と思われた方がいらしゃったら本当に嬉しいです。
『継続は力なり』は素晴らしい金言です。無理なく継続するための工夫をご自身で考えてみて下さい。それが目標達成の一番の秘訣になるかもわかりません。

この記事を書いたプロ

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