英語という魔法
口だけでなく、手も動かすコンサルタント
『自営業って何やっているのん?』と尋ねられると、いつも『怪しい技術コンサルタント』と答えております。関西地方ということあってか、この答え方が笑いを誘い、和やかな雰囲気を誘います。
なお、世の中に生息している多くのコンサルタントと大きく違う点があります。それは自社内に実験室を設け、『口だけでなく、手も大いに動かす』ところです。コンサルタント=まことしやかに話をする=嘘か本当かわからない?といった懸念も実験室を使うことで乗り切ろうと考えております。
久しぶりに実験作業
起業した当初は実験室を使う案件もそこそこあったのですが、コロナ以降、ほとんどなくなり、時折、いわゆるコチョコチョ仕事が入って来る程度でした。そんな中、今月、久しぶりにまとまった作業を実験室で行いました。
自分好みの実験室

これまで様々なところで実験室を使って来ました。起業した時に、過去の経験を元に自分好みの実験室を作りました。
そして今回、久しぶりに実験室を使って、改めてその使いやすさを感じました。もっとも、測定機器も評価機器も皆無ですので、実験室としては不十分です。しかし、それでも、化学実験においては、かなりのことができることも再確認できました。
こだわりは人それぞれです。以下は、あくまでも私の独断と偏見によるこだわりです。
(1) 土足厳禁にした。
クリーンルームには程遠いものの、入り口で靴を履き替えることで、室内の汚れはかなり防ぐことができました。
(2) 流しを大きくした。
化学実験を行うと、どうしてもガラス器具を洗浄することが多くなるのですが、流しが小さいとやりにくいものです。そこで、工事を依頼した工務店が楽に準備できる最大のものを設置しました。その結果、随分洗い物は楽にできております。また、流しには60℃までの湯が出るようにしました。原料が室温では固まっている場合、原料を容器ごと湯せんして取り出す場合があります。流しを大きくしたことで、湯せん用に大き目のバケツも楽に使え、ペールに入った樹脂なども対応可能となりました。
(3) 乾燥機をやや大きめとした。
流しの横に熱風乾燥機を置きました。通常見かける乾燥機より、ワンサイズ大きくしました。その結果、やや大きめのガラス器具でも洗浄後は楽に入れることができますし、熱硬化性樹脂などの加熱状況を確認する実験にも便利です。
(4) 独自のドラフトを作った。
ドラフトは工務店の社長に厨房をイメージして作ってもらいました。ドラフトの下に真空ポンプなどが収まるように、床面はやや高い目にしました。
また、ダクトを使わず壁に直接高圧換気扇を取り付けることで、強力な風を流すことができます。引く力は過去最大となりました。
更に、ドラフトを使う際には、コンセント不足に悩まされることも多かったのですが、ドラフト内外にコンセントを16箇所設けることでコンセント不足に悩まされることはなくなりました。
なお、過去に至る所で見かけたドラフト内のスタンドはアンカーの役割を果たす重りを頼りに乗せてあるだけのものが大多数でした。
例えば、
(ユニットスタンド(B型))
https://axel.as-1.co.jp/asone/d/5-5317-04/?cfrom=F0040000
完全には固定されていないので、撹拌機などを使うと揺れが発生し、昔はこわごわ実験をしていたこともありました。更に重りに加えて斜めの支え棒が空間的にも邪魔となり鬱陶しいほどです。そこでスタンドを直接打ち付けてしっかり固定化させることで上記問題を解決させました。
また、床面に穴をあけることで、冷却水や真空チューブなどをドラフト内に引き込むことが容易となりました。
(5) 実験台もオリジナルとした。
実験台は市販の作業台の上にやや大きめのべニア板を貼り付けたものにしました。表面には実験台用の黒い化粧板を貼り付けました。この化粧板、畳6畳分くらいが最小単位でしたので、余った分はドラフト内に貼り付けました。その結果、黒いドラフトになりました。
スタンドもドラフト内同様、打ち付け、安定化させました。
また、電源も天井から下ろすようにしたので、電気コードを床に這わしたりすることなく、電気は供給されます。
(6) 室温を安定化できた。
実験室はボロ家のブロック塀でできた納屋を改造したものでしたが、断熱材をしっかり入れたことで、エアコンの効きが非常に良いものとなりました。
その結果、室温はほぼ安定し、播羊化学研究所内で最も快適な空間となりました。
(7) 道具探しを一瞬でできるようにした。
細かいガラス器具や工具類はたくさん引き出しのある棚に収納しました。これで道具探しに無駄な時間を費やすことがなくなりました。
過疎地のボロ家購入だったからできた!
以上、弊社の実験室のお話でした。
元はと言えば、単に初期投資を少なくするために過疎地の空き家を購入して事業を始めました。まずロケーションとして住宅街などではないので、周囲を気にする必要がありません。ドラフトの壁に換気扇を直接取り付け、壁の向こう側に直接排気できるのも、過疎地ならではです。
また、レンタルラボとは違い、自社物件ですので、壁に穴を開けようと、何をどうしようと自分の思い通りです。
もっとも、いくら安上がりとは言え、費用はかかります。その点においては、我が家に弊社の経理も担当している、家内という事実上の社長の承認を得ねばなりませんが…まぁ、それにしても、その家内ですが、今やお金にしか興味がないようです。
てなことで、過疎地で実験室を作れば、静かなところで、作業に没頭できます。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のエメット・ブラウンのようなこともできる!といったところでしょうか?




