生臭坊主から得たものとは?
中身で勝負じゃ
おそらく40年ほど前でしょうか?『戦は数ではない。中身で勝負じゃ。』というCMがありました。
[その後、20年ほど前には、とある地方大学の教授サマより、下記のようなメールが来ました。
『その後、お元気ですか。
さて、以前にもお話したことがありますが、本学大学院工学専攻博士後期課程への社会人入学のご案内をします。
本学では、毎年に2回(8月と2月)に大学院博士後期課程の入試がありま
すが、2月期の入試に向けて各方面に広報を行っております。御社の研究者に
学位(博士、工学)取得希望者がおられたら、是非、応募していただきたいと
思います。大学院修士課程修了者でない方(極端な例では、中卒でも可)も受
験資格があります(但し、1月上旬に受験資格審査(研究業績審査)を受けて
いただきます)入学後、実質的な研究は社内で行っていただくことになりま
す。また、最近の業績(博士論文に関連する)をいくつかお持ちの場合は、在
学期間短縮も可能です。さらに、再チャレンジ事業の一環として、授業料の減
免(半額)も申請により措置されます。
来年度、つまり、来年2月に受験される候補者がおられたら、できるだけ早
く(遅くとも年内)私に直接お知らせいただけたら幸いです。
御社内での広報をよろしくお願いします。』
粗製乱造?
こういうのを粗製乱造というのではなかろうか?と思いますが、いかがでしょうか?
最も気になったところは『実質的な研究は社内で行っていただくことになります。』です。
要は大学に来てやらなくても良い、実質会社の仕事しているだけでOKってことです。『こんなのアリ?』でしょうか?
全ての地方大学が上記と同じではないでしょうが、ひたすら出す博士号の数を増やしたいとの話を地方大学関係者から良く耳にします。
偶然かもしれませんが、これまで見たところ、会社員が会社で取った博士号は圧倒的に地方大学発が多かったです。上記とメール文と照らし合わせると、会社と大学の間の単なる取引で博士号が商品化されていると思われても仕方がありません。
その一方で実際に大学院生だった頃、論文博士は取りにくいものでした。当時、有名な大企業から論文博士を目指している人たちもいましたが、何度も審査で落ちていました。それだけ論文博士は難しいとの認識を持っておりました。
結局、上記教授サマにも問題がありますが、企業というところも課程で博士号を取得した者の居場所を提供しなかった上に、正しい評価もして来なかったのではなないでしょうか?その一方でバーゲンセールの博士号ばかりを買って社員に与えていたのでは???
その結果として、大学は役割を忘れ、学位も本来の価値を無くしてしまったのかもしれません。
どこで?
更に日本にやって来た外国人と話をしていると、割合簡単に『学位はどこで取ったの?』と聞かれます。今思えば何か上記のことが見透かされているようにすら思えます。
そして365日の紙飛行機という歌には『その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか それが一番大切なんだ』という箇所があります。
戦は数ではない。中身で勝負じゃ。




