絶対音感?相対音感?
ピアノ教室へ
ピアノは5歳の時から大学生の頃まで習っていました。
動機は単純でした。
元々姉が近所のピアノ教室で習っていて、ある時帰って来ると『近所の同い年の男の子が来ていたよ』と言っていたので『僕も…』と思っただけです。
男の子が?
今は『思い浮かぶのは男性ですか?女性ですか?』みたいなCMがあるくらいですが、当時はピアノを習う=女の子と決まっていました。それでも、たまたま習い始める前にも珍しく???一人の男の子が習いに来ていたものの、直ぐにやめたそうです。ピアノの恩師はいわゆるオバハンでしたが、高校も音楽科で大学も音楽大学(ほぼ同じ経歴者として鉄道大好きタレントの斉藤雪乃さんがいます。)という筋金入りだったことは随分後になってから知りました。それゆえ、教え方も気合が入り過ぎていたのでしょうか?厳しくし過ぎたのでしょうか?男の子をやめさせてしまったことがトラウマになっていたようで、もはや男の子には腫れ物に触るように一切厳しくありませんでした。その一方で、両親は習い事に対して何も言わず、全くの放任状態でした。
更に別の男の子が…
いつ頃だったか忘れましたが、何年か経てから、更に別にイタルくんという男の子が習っていることがわかりました。上記同い年の男の子は小学校を卒業するまでにやめていたと思うので、その後だったと思います。当時そのピアノ教室には『ユタカくん』と『イタルくん』という二人の男の子がいることになっていました。
かなりシャイだったような…
ただ、同じピアノ教室に通っていると言っても、お互いが顔を合わすのは、あまりなく、せいぜい発表会の時ぐらいで、ほとんど交流はありませんでした。故に、イタルくんともほとんど接点はなかったです。そんな中で、唯一覚えていることは、ある時、イレギュラーに私の次にイタルくんのレッスンが入っていたようです。イタルくんが現れたのは良いのですが、終始無言でした。そして、恩師に『何も言わないで入って来ると、お化けさんが入って来たみたいよ』と言われていたことを覚えております。イタルくん、かなりシャイだったようです。
恩師が心配していた
その後時は流れて大学時代になります。イタルくんは私より2~3歳年下だったと思います。恩師は非常に心配していました。
『イタルくん、知ってるでしょ。今年大学受けたのは良いけど、全部滑って、そう、〇〇大学まで…』とか言っていました。その〇〇大学はローカルな地元大学で、当時、さほど難易度も高くなく、『いざとなれば〇〇大学だったらいつでも入れるし…』とか言われていた大学でした。
恩師より衝撃的なことを
更に時は流れます。
結婚して長男も生まれてから、実家に戻った時のことです。
偶然ピアノの恩師に実家の前の道で会いました。
『ユタカくん、子供さんにピアノを習わせたら?』と言って来たのですが、実際長男はピアノに興味がないようでした。その時何を思ったのか『まぁ、男の子ですし、ピアノにはあまり…』と言ったところ、思わぬ答が返って来ました。
『イタルくん、知ってるでしょ。今ねえ、作曲家で、センバツ高校野球の入場行進曲の編曲もやっているよ。』
『え、まさか、あのイタルくんって…
あの有名な作曲家の酒井格さん???』
そうだっだか~~~でした。
思わず同じピアノ教室に通っていても、片や何の取り柄もない、しがない自営業、片や有名な作曲家、人生の悲哀を感じてしまいました。
そして、それが恩師と会った最後でした。しばらくして、10年程の闘病の末に恩師は逝きました。
今夜は『たなばた』
今夜は『たなばた』です。
酒井格さんは『たなばた』という曲で一躍有名になりました。
(たなばた / 酒井格 The Seventh Night of July / Itaru Sakai)
https://www.youtube.com/watch?v=m1Xk9z7Ihoo
ただ、この曲が世に出るまで、一波乱あったようです。
これについては、また改めて申し上げたいです。