耐震補強対策・技術について
悪夢の高校時代
高校の時は普通に理科系を志望しておりました。
しかしながら、通っていた高校、希望者のほとんどが私立大学文系で、国公立大学理系は最も少数派であったことからか、高校側もほとんど入試対策に力を入れておりませんでした。その結果、物理の授業は全くわからないまま高校を卒業してしまいました。
さすがに予備校は違った
高校を卒業して予備校生になりました。さすがに予備校となると、ちゃんと大学に入ってもらわないといけないのか、授業が大変わかりやすいものに大化けしました。その最たるものが物理で、年収1億円とも言われていた名物講師の授業を受けていました。
入試問題は漏洩していた!
その予備校の物理の授業の中で、今でも印象に残っているのが、原子物理です。
そもそも、原子物理、教科書でも最後の方に出て来るので、入試問題になることはほとんどなかったそうです。歴史で言えば、現代史といったところでしょうか?
ところが、当時『次の入試には原子物理が出る!』という噂が流れていたそうです。
実際、過去には某大手予備校の夏の模擬試験の問題と次の共通一次の問題がほとんど同じであったこともあったそうです。
そうなんです。入試問題の中身は漏れるものだったみたいです。実に不公平なことだったのです。
そして、実際、その後に私自身が受けた共通一次試験の物理には原子物理の問題がしっかり出ていました。
原子物理の授業で
その原子物理の授業の中で、本来であれば、入試問題に出そうなことをきっちりと覚えるべきだったんでしょうが、そんなことはすっかり忘れてしまいました。
その代わり、前置きで語られた原子力発電所の話については、強烈に残っております。
当時聞いた話を簡単に列挙します。
(1) 原子力は核分裂という現象を利用する。
(2) 核分裂を速く行えば爆弾になり、遅く行えば発電になり、中性子の制御
をしている水や炭素棒で核分裂の速度を調節しているだけで、根本は同じ。
(3) 根本が同じだから、スリーマイル島やチェルノブイリの原発の型が日本のそれとは違うからと言って、安全とは言えない。
(4) 核分裂の最中に、直接電気が取り出されれば、これは実に素晴らしい発見となる。
(5) ところが、(当時、そして今も)核分裂は熱源に過ぎない。
(6) その結果、原子力発電所では、水を沸かして蒸気を発生させ、その蒸気でタービン発電機を回しているに過ぎない。
ということでした。
ほとんどの人が知らないで生きているのでは?
ここで、ポイントは(4)~(6)です。
まず(4)ですが、こんな発想、予備校で聞かなければ、未だに思いつかなかったと思います。確かに核分裂が起こっている現象をそのままダイレクトに電気エネルギーとして取り出されば凄いことです。しかしながら、今のところ成功したという話は聞いておりません。
そして(5)と(6)ですが、極めて重要なことと考えます。
ところが、要は原子力発電所で何が行われているのか?これ知っている人はどれだけいるのでしょうか?正直、予備校で上記の話を聞かなかったら未だに私も知らなかったと思いますし、知ろうともしなかったでしょう。
原子力発電所は単なる湯沸かし器
結局、原子力発電所は大きな大きな湯沸かし器です。
やかんが上に乗った薪ストーブのようなものでしょうか?
これを踏まえた上で、改めて原子力発電所というものを考えるべきではなかろうか?と思います。
例えば、たとい『大きな大きな湯沸かし器に過ぎない』と言われても、長期間燃料補給の必要もなく、CO2も発生しないのだから、どう考えても『原子力発電所にはメリットは大きい』というご意見もあるでしょう。その一方で、発生する灰が薪を焼いたもののように肥料にでもなるのであれば良いが、猛毒な上に、天文学的な長期間においても毒性は残り、その処分法も確立されていないのが現状です。そこへ『あれは単なる湯沸かし器に過ぎない』となれば、『そんな湯沸かし器ごときのために原子力発電所はリスクが大き過ぎる』というご意見もあるかもしれません。
更に以前、このコラム欄でも小規模発電のことについて申し上げましたが、それに対する見方も変わって来るかもしれません。
(過疎地で発電すれば災害時にも役立つはず…)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5152299/
素晴らしい発見となるのか?
そんな中、ごく最近、『核融合発電』に関するニュースを見ました。
『核融合発電 日本のレーザー技術を生かせ』
https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/articles/2024_0322.html
なお、核融合は核分裂とは異なる現象ですが、『原子力』に集約されます。
下記には『原子力とは、文字通り「原子の力」を表しますが、大きなエネルギーを発生させるものとして核分裂と核融合があります。
核分裂は、原子核が分裂することです。核融合は、複数の原子核が合わさり、一つになることです。このような大きなエネルギーを発生させる現象のうち、原子力発電は核分裂の際に発生するエネルギーを発電に利用しています。』とあります。
(原子力発電のしくみ)
https://www.jaero.or.jp/sogo/detail/cat-02-03.html
ここで『核融合によって、直接電気が取り出されれば、これは実に素晴らしい発見となる。』に該当するのでしょうか?
『今のところ成功したという話は聞いていない』とは申し上げましたが、そうでなくなる日が来るのかもしれません。
もっとも、核融合発電について、『核融合発電は、発電過程でほとんど排出物を生成しません。現在の原子力発電所では、核分裂によって大量の放射性廃棄物が発生しますが、核融合発電ではそのような廃棄物の生成が少なく、また生成されても放射能は速やかに減衰されます。』『原子力発電と比較した場合、核融合発電は非常に高い安全性を持っています。しかし、完全に放射能がないわけではないため、実際に稼働するためには、地域の反対や建設地域の問題にも配慮する必要があります。』とありますが、『非常に高い安全性』という抽象的な表現に加えて、毒性の廃棄物などについては言及されておらず、不安も感じます。どうなって行くのでしょうか?
(株式会社 日本レーザー:核融合発電の基礎から将来性と課題まで、わかりやすく解説!エネルギーの未来を支える新技術について詳しく知りたい方必見!)
https://www.japanlaser.co.jp/column/%e6%a0%b8%e8%9e%8d%e5%90%88%e7%99%ba%e9%9b%bb%e3%81%ae%e5%9f%ba%e7%a4%8e%e3%81%8b%e3%82%89%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%bb%e3%83%87%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%be%e3%81%a7/