不安を煽ることは百害あって一利なし

辻村豊

辻村豊

テーマ:研究開発のヒント


皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

職探しをしていた中で

過去のコラムで『求人に応募したけど、ことごとく落ちまくった』お話を申し上げました。
な~んだ、結局読んでくれないのか~
ポスドクのような任期制の職に就いていると、次の職を探す日々が続きます。公募に応募する手もありますが、その一方で頼めそうな人には当たってみるしかなかった、という事情もありました。
これまた上記の同じコラム中でも申し上げましたが、ある時、とある地方大学の教授サマに至っては、近所にある工業試験場の職員の採用試験を担当していたらしく、『試験問題を作るのも俺一人や』、『それで採点も俺一人や、どういうことかわかるやろ?』と得意顔で語っていました。
たかがコネ、されどコネです。

嘘も方便?

そんなことで、教授サマのみならず、会社の社長サマ、議員サマ、あの手この手になりました。
うまく行かない日々が続くと、どうしても溺れる者は藁をも掴む状態になりますが、にもかかわらず、事態はエスカレートして、更に絶望的な話を聞かされることになります。
職探しにもかなり疲れて来た時、とある公的な研究機関のエライ人から聞いたお話です。
『うちでこないだ研究員を募集したら、1000人以上応募があったよ。』
1000人以上???
話は続きます。
『昔からそうなんだが、次のポスドクを見つけるにも、1000通ぐらい、あちらこちらへ手紙を出すのは当たり前だよな。僕らもそうしてきた…』
とか言っていました。
しかしながら、これには真っ赤な嘘が含まれていました。
後でわかったことですが、このエライ人、大した努力もせずに、コネで入ったそうです。

ラッキー論が大好きな方々

また自らのラッキー論を語るのが大好きな人もいました。とある教授サマは『ある日突然、(当時の指導者だった)教授サマに呼び出されて行くと、『助手になれ』と言われて、そのまま現在に至っているよ。ホント、ラッキーだったよ!』と『ラッキー』という言葉を10回くらい繰り返していました。そして、私に向かってややしかめっ面になって、『大変だよね?』と言うだけでした。『所詮世の中は運不運だけで決まるのだから、いくら頑張っても意味がない、どうすることもできないよ』と言わんばかりでした。しかも、その後も現在に至るまで、自らのラッキー論を語る人は何人もいました。
要は『人の不幸は蜜の味』、しかも、相手が弱ければ弱いほど、不安を煽る効果が高ければ高いほど、平気で嘘をつき、イジメてくる方々が如何に多いか?がよくわかりました。これも人間の本能だからでしょうか?

不安を煽ることは百害あって一利なし

てなことですが、人というのはどうやら不安を煽ることが本当に楽しいみたいです。そのためには、たとい1000人応募が無くても、1000人以上来たと言い、『嘘つきは泥棒の始まり』も何のその、といったことなのでしょうか?
しかしながら、こちらとしては、転んでもタダでは起きるわけには行きません!
上記の経験、この先、大いに生かせます!
今、コンサルタント、技術顧問、アドバイザー、助っ人、呼び方は様々ですが、こういった方々がやたら不安ばかりを煽っていると聞きます。そして、業界のイメージを著しく下げているようです。
だからこそ、上記の経験があったからこそ、
『不安を煽ることは百害あって一利なし!!!』
自信を持って、断言致します。

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辻村豊
専門家

辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

材料や素材の研究開発、製造工程、特許に関する企業の困りごとを丁寧にサポート。専用の実験室で実証実験や試作も行っており、少量からでも対応が可能です。技術系社員の育成、技術承継も相談に応じます。

辻村豊プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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