見えない時間の設計
医療機関の待合室に水槽を置きたい、というご相談をいただくことがあります。
理由として多いのは「癒し」や「雰囲気を良くしたい」というものです。
ただ実際には、空間が完成した後に
「一体感のある水槽を設置したい」と言われることも少なくありません。
しかし水槽は、あとから自然に溶け込むものではありません。
動線。
視線の向き。
滞在時間。
壁面素材。
自然光や照明との関係。
これらが整って初めて、水景は空間の一部として機能します。
設計段階で組み込まれていない場合、水槽は“追加された装飾物”になりやすい。
私は水景を装飾ではなく、空間の体感温度を静かに整える装置だと考えています。
設置の前に、設計がある。
この順序を丁寧に整えることが、長く機能する水景につながります。
水槽を検討される際は、空間計画の段階からご相談いただくことで、
水景は初めて“置かれるもの”ではなく“組み込まれるもの”になります
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