知っているようで知らないメンターのこと。改めて解説してみます。
■メンターの定義
優れた指導者。恩師。信頼のおける相談相手。ギリシャ神話で,オデュッセウスがトロイア戦争に出陣するとき、自分の子供テレコマスを託した優れた指導者の名前メントールを語源とする。(出典:小学館 デジタル大辞典)
辞典ではこのような解説がなされています。「信頼のおける相談者」という表現が、私的にはしっくりくる感じですが,もう少し解説を加えてみます。ちなみにサポートする人をメンター、される人をメンティーと呼びます。
■アドバイスをする役割ではない
アドバイスは相談を受けた人の価値観をもとにした話でしかありません。職場の仲間として、仕事のやり方を伝えるならば、アドバイスは効果的です。 しかし、相談者がつまずいている状態で、話す側が自分の価値観をもってアドバイスしても必ずしも的確な話になるかどうかは分りません。
たとえは適切では無いかも知れませんが、上司が部下を居酒屋に連れて行き、「俺の若い頃は」と話しとしたところで,部下に響かないというようなケースを想像してください。
大事なのは相談者がどのように「思い」「感じ」「どうなると想定しているのか」など無意識に捉えているその人の思考特性をつかんで自覚させ、望ましい思考習慣へと修正をしていく過程で本人の望む状態になるまで伴走をしていくことにあるのです。
■メンター制度の問題点
厚労省も導入を促進しているメンター制度は、所属する上司とは別に年齢の近い先輩社員などに若手社員をサポートする制度です。目的は,若手社員の離職の抑制や社内のつながりの強化、社員の悩みの解決などを通して,社内の活性化や従業員満足の向上を図ることにあるようです。
しかし、メンターとなる先輩社員の負担増やメンター・メンティーの相性の問題、メンターの役割を担う社員に質のばらつきなどがあって制度が機能していないのが現状のようです。
■弊社の提案するメンターの導入とは
まず、対象を限定しません。
*若手社員の離職防止のためだけでない。
*女性社員の活躍促進のためだけでない。
全ての社員が対象であり、会社の業績の向上のためが目的となります。
メンターとなる社員は若手社員と年齢の近い社員やロールモデルとなる社員ということではありません。まずは、経営者にメンターの導入の理解をしてもらい、メンターとして部下に関わって頂き、やがて会社全体に広げていきます。
社長がメンターであり、社員はメンティーであるように。 また、上司がメンターであり、部下がメンティーで機能するように取り組んでいきます。
メンターは業務上直接的な関わりがない人を選任するのではなく、個の力を最大限に発揮させる力を上長が身につけていくことが小手先でない社内の活性化につながるのです。
■本物のメンターになるために
2000年にILO(国際労働機関)は職業能力(エンプロイアビリティ)を向上させるためには、業績優秀者の行動特性(コンピテンシー)に注目し、さらに、それを支える「思考特性」が最重要であると発表し、そのことを日本の厚労省も支持しています。
スキル<行動特性<思考特性
つまり、何が出来るか・何をするかの前に、「どう思っているのか」「考え方の特性」を整える事に働きかけることが,業績を向上させるためには最重要である結論づけられているのです。
もちろん、スキルを身に付けることも行動を変えることも大切です。しかし、その前にすることがあるということです。
大事なのは「人」ということ。つまり、人間を知らなければ自分の経験という片寄った知識と経験でいわば、勘を頼りに人と関わってしまいます。理論と法則を知り,実践を通して哲学を身につけ、自他共に問題を解決し、成長することを通して会社の業績、個人の目標の達成を実現していくこと。ひいてはよりよい社会づくりへの貢献に寄与する地域の人から守られる組織・企業へと飛躍していきます。
これが弊社の提供するメンター導入のプログラムとなります。
御社の現状と共にお気軽にご相談ください。お待ちしております。