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まち木造の可能性

テーマ:まち・暮らし

―ことばからまちへ、この3ヶ月の活動から見えてきたこと―

2026年4月1日


まち歩きが好きから始まったこと


先日、まちを歩く活動に参加しました。
その時感じた可能性について書いてみようと思います。

一緒に歩いている人たちのまちへの視線が、
私が建築を志した原点と重なりました。

子供の頃、散歩をしながら感じていた、
あの感覚です。

どこを見たら良いのだろう。
何を評価したら良いのだろう。

そんな問いを、
久しぶりに思い出しました。

建築を始めたいと思った理由は、
まちを歩きながら感じる空気や距離感、
そこにある暮らしの気配でした。

それは何からできているのだろうと、
知りたかったのだと思います。

そのあとで建物のつくりや素材、
デザインにも興味がわきました。

そして改めて今、思っています。

建築とは建物をつくることだけではなく、
まちを構成する要素に関わることなのだと。

ことば
かたち

空間
建物


まち

そうしたものへの興味は変わらず続き、
これらの関係性をつくることを、
これからの活動の中心にしようと考えています。

ことばから始めた設計


2025年の終わりから、
いくつかの活動を始めました。

まず、ことばから設計を始める試みとして、
建築カウンセリングを始めました。

住まいについて話をすることで、
整理されていくものがあります。

物理的な問題だけではなく、
気持ちの部分もです。

設計は図面から始まるのではなく、
ことばから始まるのだと改めて感じました。

設計ではRC造の建物の中を改修し、
木造の家を建てる計画を進めています。

異なる構造や素材が共存することで、
新しい関係性が生まれます。

その関係性の可能性について、
考える時間が増えました。

体感から見えてくる、まちのかたち


まちを知るために、
住む場所も変えてみました。

実際に住んでみると、
頭より先に体が感じていることがたくさんあります。

まちの距離。
まちの空気。

暮らしの出発点が変わることで、
見え方も変わっていきました。

建築は図面だけで考えるものではなく、
身体感覚の中にもあるものだと感じています。

その観察と創造のなかから、
「まちをまくらに」という詩を書きました。

建築とは別の方法で、
まちを体感してほしいと思ったからです。

詩を書くことで、
普段見過ごしてしまうものに気づきます。

余白。
気配。
かたち。

詩は、まちを見るもう一つの設計図なのかもしれません。

空間を共有する試み


空間を考えることを、
専門家だけのものにしたくない。

そう思い、間取りの教室も始めました。

自分で考えることで、
空間は見えてきます。

与えられるものではなく、
関わることで理解できるものです。

設計とは完成を見ることではなく、
考えるプロセスに参加すること。

そう考えています。

木の時間を知る活動




広島の木のあり方を知ってもらう活動として、
wood word scape を始めました。

木(wood)と言葉(word)、
そして風景(scape)。

山からまちへ木が届く関係を、
見つめ直す活動です。

木の家を設計していながら、
地域の木の現状を十分伝えられていない。

そんなもどかしさを、
以前から感じていました。

設計の現場だけでなく、
ことばでも木とまちの関係を伝える。

それも必要なことだと思いました。

その流れで、
広島の原木市場にも足を運びました。

一本一本異なる表情の木が並び、
まだ山の時間を残しているように感じました。

木でものをつくることは、
単なる材料としてではなく、

つながれた時間を
受け取ることなのかもしれません。

まちを歩いて見えてきたこと


まち歩きの活動の中で、
経済や用途、歴史の話は多く出てきます。

しかし、まちのかたちの話は、
意外と少ないと感じました。

広島のまちは、
整いすぎていない面白さがあります。

さまざまなものが混ざりながら、
存在しているところです。

もしそこに木のリズムを
加えることができたらどうなるだろう。

地域の木を使い、
山との関係を感じられる「まち木造」。

大量生産の建物とは違う、
時間を感じる風景。

そんな可能性を、
十日市を歩きながら考えていました。

これからの活動とまち木造の可能性




まちをことばで描くことが、
私にとっての詩の活動です。

そして設計は、
まちの絵を描くことでもあります。

小さな絵から大きな絵まで。

一つの部屋から建物へ。
建物からまちへ。

設計とは、その大きさの違う絵を
描き続けることなのかもしれません。

そしてこれからは、
自分だけで描くのではなく、

関わる人たちと
共に描いていきたいと思っています。

共につくること。
共に考えること。

その中から生まれる空間には、
一人では生まれない豊かさがあります。

この3ヶ月の活動は、
設計者としてまちとの関係を見つめ直す時間でした。

建築をつくることだけでなく、
まちとの関係を整えていくこと。

その中で、
木造にはまだ可能性があると感じています。

一棟の建物から、
まちは少しずつ変わる。

そう思っています。

これからも設計を通して、
木とまちの関係を整えていきたいと思います。

住まいについて考える時間が必要な方と、
これからも出会えたらと思っています。

その時間が、
まちを知るきっかけになればと思います。

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ねぎもとあやこ
専門家

ねぎもとあやこ(一級建築士)

建築設計 LEFTHANDS 一級建築士事務所

木造住宅や古民家再生の経験を生かし、環境や多様な暮らし方にあう計画を提案。日本の自然環境にある木材を生かし、構造・意匠・素材の木のリズムでととのえ、安心感と温もりに満ちた住空間を実現します。

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