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住むことに対する自由を保つには

テーマ:広島家づくり

家をどうするかを考えるとき、 多くの人はこう問いを立てます。

  • 借りるか、買うか
  • マンションか、戸建てか


けれど、それだけでは足りない。 その前に、もっと大きな問いがあるように思います。

誰と、どんな時間を、どんな場所で生きるのか。


選べなかった体験が、選択をせばめる


子どもの頃から大人になるまで、 私たちは住まいを自分で選べません。

どんな家に住み、 どんな間取りで、 どんな距離感の中で暮らすか。

それらは環境として与えられ、 いつの間にか「普通」になります。

その体験は安心でもありますが、 同時に、

「家とはこういうものだ」という 無意識の前提をつくってしまう。

それだけで、その後の選択が 決まってしまうのは、やはりもったいない。





誰と住むかで姿を変える?


一人で住む家と、 誰かと住む家は、 同じ広さでも、まったく違う空間になります。

静けさを大切にしたい一人暮らし。

距離感や重なりが生まれる共同生活。 家族、同居、世代の違い。

住む人が変われば、 必要な余白も、音の許容も、 居場所の数も変わる。

だから家は、 建物だけで決まるものではありません。

人が変われば、場所も変わる

誰と住むかが変われば、 選ぶ場所も自然と変わります。

一人なら成り立つ立地が、 複数人では窮屈に感じることもある。

逆に、 誰かと住むからこそ選べる場所、 一人では選ばなかった街もある。

家は、 建物 × 人 × 場所
この三つが同時に関係している。

借りる・買うは、時間との関係


借りる住まいは、 時間を軽く持つための選択です。

変化に対応でき、 場所に縛られず、 いまの暮らしに集中できる。

買う住まいは、 時間を積み重ねるための選択です。

家に記憶が残り、 暮らしの履歴が積み重なっていく。

どちらが正しいかではなく、 どんな時間を生きたいか
が問われています。

マンションと戸建て


マンションは、 暮らしを「使う」住まいです。

立地や管理、性能が整えられ、 効率と安心が得られる。

戸建ては、 暮らしを「育てる」住まいです。

手を入れ、変え、 時間とともに家の表情が変わっていく。

どちらも価値があり、 どちらも体験しなければわからない。

同じものが見えてくる


これらを一つの視点で重ね、 いまの状況を俯瞰して見ると、 あることに気づきます。

驚くほど、同じような住まいが 同じような言葉で売られている。

家族像は一種類に固定され、 暮らし方はあらかじめ決められ、 立地も間取りも「平均値」に寄せられている。

選んでいるようで、 実は選ばされている住まい。

同じに見えるのは、 普通であり、何も問題ないと思っている。

体験してから決めてもいい


もし予算と時間に余裕があるなら、 すべてを体験してから決めればいい。

借りる。 買う。 マンションに住む。 戸建てに住む。

その中で生まれる 「合わなかった」「意外と好きだった」という感覚。

それこそが、 自分にとっての住むことの軸をつくります。

居住に対する自由を保つには


居住の自由とは、 好き勝手に選ぶことではありません。

自分の状況を、外から眺められること

誰と住むのか。 どんな時間を生きたいのか。 場所と、どう関わりたいのか。

それらを重ねて考え、 結論を急がず、 体験を通して確かめていくこと。

家を選ぶという行為は、 正解を探すことではなく、 自由を手放さないためのプロセスなのだと思います。

暮らしは、実験でいい。

その余白がある限り、 居住に対する自由は、 これからも保たれていくはずです。

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ねぎもとあやこ
専門家

ねぎもとあやこ(一級建築士)

建築設計 LEFTHANDS 一級建築士事務所

木造住宅や古民家再生の経験を生かし、環境や多様な暮らし方にあう計画を提案。日本の自然環境にある木材を生かし、構造・意匠・素材の木のリズムでととのえ、安心感と温もりに満ちた住空間を実現します。

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