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思い出の建築 児童図書館

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テーマ:まち・暮らし

子供の頃の記憶から


図書館

子供の頃の建築体験はとっても大切です

大学の現代建築史の最初の授業で「記憶に残る建築空間を挙げなさい」と聞かれたとき、
真っ先に思い浮かんだのは、子どもの頃に訪れた児童図書館でした。

建物全体がまるで屋外にいるかのように明るく、開放感にあふれていました。
そのときの感覚は、今でも鮮明に覚えています。
放射状に広がる書棚も印象的でした。
広島で育った皆さんも、家とは違う明るい空間を記憶しているでしょうか。
そして、なぜ壊されてしまったのでしょう。

大学で建築を勉強して、図書館が丹下健三さんの設計によるものだと知りました。
放射状に並んでいた書棚は空間を区切るためではなく、むしろ一体感を生むための工夫だったと理解したとき、あの空間に満ちていた広がりの理由が腑に落ちました。
そこでは、人々が自然に同じ時間を共有し、ゆるやかにつながっていたのです。

建築空間が与える印象は、形だけではありません。
その場所で過ごした時間、光のやわらかさ、空気の質が、静かに記憶として残ります。

この児童図書館のように、建物そのものが心地よさや楽しさをまとい、長く心にとどまる空間になること、それこそが、建築の魅力なのだと思います。


レフトハンズのブログ 「建築から学ぶ」から

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専門家

ねぎもとあやこ(一級建築士)

建築設計 LEFTHANDS 一級建築士事務所

木造住宅や古民家再生の経験を生かし、環境や多様な暮らし方にあう計画を提案。日本の自然環境にある木材を生かし、構造・意匠・素材の木のリズムでととのえ、安心感と温もりに満ちた住空間を実現します。

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