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なぜ今木造なのか

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テーマ:広島家づくり

1. 木造が“いま”見直されている理由

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住宅の選択が多様になるなかで、木造住宅が再び注目されています。

SNSで見る北欧の暮らし、自然素材のインテリア、環境に配慮したライフスタイル。

時代の流れで、木の家は「古い建て方」ではなく、今の価値観に近い住まいと言えるようになりました。

木は人工的に作られた素材と異なり、育つのに時間がかかります。

だからこそ、木の住まいの中に入ると、そこに“生きた時間”が静かに宿ります。

ふだんの生活の中に、もう一度自然のリズムを取り戻すような感覚。

それが木造の魅力のひとつです。

2. 木材の循環、環境にやさしい家

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木の家が選ばれる理由のひとつが「環境性」です。

木材は成長の過程でCO₂を吸収し、建物になってもその炭素を蓄えたまま長く存在し続けます。

これは鉄筋コンクリートなど他の材料にはない特徴です。

さらに、地域材を使えば運搬エネルギーが少なく、地域の森林が健全に循環します。

「木を伐ることは森を守ること」と言われるように、適切な間伐と利用が次の世代の風景を育てていきます。

森の時間と、住まいの時間。

両方をつなぐものとして、木造はこれからの時代に合った建築なのです。

3. 暮らしに“木のやわらかさ”

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木の家に入ると、まず空気の質が違うと感じる方が多いと思います。

手に触れたときのやわらかさ、湿度を緩やかに調整する性質、季節によって変わる香りと表情。

木は「住む人の時間に寄り添う素材」です。

新築のときが一番良いのではなく、住み続けることで少しずつ風合いが増し、その変化が暮らしに深みを与えます。

レフトハンズの設計でも、木を“ただ使う”のではなく、空間の中でどう生かし、どう育てるかを大切に考えています。

木の家は、住まい手とともに成長する建築です。

4. “弱点”が更新されていく木造

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かつての木造は「寒い」「古い」「弱い」というイメージを持たれていました。

しかし現代の木造は、技術の進歩で大きく変化しています。

耐震性能は金物工法や構造計算によって安定し、断熱・気密は高性能化し、地域の気候に合わせた温熱設計が可能になりました。

CLTなどの新しい木質材料は、公共建築にも使われる時代です。

つまり今の木造は“昔ながらの建て方”ではなく、技術と素材が融合した「現代の木造建築」。

木の家は、伝統と未来を行き来しながら進化しています。

5. 変化にそう、しなやかな構造

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いま多くの家庭で、暮らし方が大きく変わっています。

リモートワーク、子育てのステージ、二拠点生活、親世代との同居。

家は一度建てて終わりではなく、人生の変化に合わせて“ととのえ”続けるものになりました。

木造は壁を動かしやすく、増築や改修もしやすい柔らかさがあります。

住まい手の人生の変化を受け止め、空間をしなやかに変化させられる。

木造はこの柔軟性こそが大きな強みです。


木造という選択は、素材の問題だけではありません

暮らし方、どんな時間を家の中で積み重ねたいのかという“価値観そのもの”にかかわります。

木とともに暮してきた日本人の豊かな知恵を思い出し、いまの木造を求めていきましょう。

レフトハンズのブログ カテゴリー「木を知る」から

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専門家

ねぎもとあやこ(一級建築士)

建築設計 LEFTHANDS 一級建築士事務所

木造住宅や古民家再生の経験を生かし、環境や多様な暮らし方にあう計画を提案。日本の自然環境にある木材を生かし、構造・意匠・素材の木のリズムでととのえ、安心感と温もりに満ちた住空間を実現します。

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