広島市中区いのうえ内科脳神経クリニックにおける頭痛患者さんの統計
広島で頭痛外来を行ってます。
当院における頭痛患者さんの統計をまとめました。これは平成27年10月から毎年行っておりますが昨年度(令和3年9月24日から令和4年9月24日)の患者さんは以下のような結果になりました。
ホームページにも発表する予定ですのでご覧いただけたらと思います。
我が国では、緊張型頭痛の患者さんは片頭痛の4倍弱といわれております。
当院では緊張型頭痛の患者さんが660名で片頭痛の患者さんは1109名となってます。
これは緊張型頭痛の患者さんは頭痛も軽いため病院に受診する必要がない方が多いためです。
当院に受診される多くの緊張型頭痛の患者さんは片頭痛など日常生活に支障をきたす頭痛を合併している患者さんのようです。
当院の特徴は重症頭痛患者さんが多いことです。
鎮痛剤や他院から処方された片頭痛治療の特効薬とされるトリプタン製剤などを飲み過ぎて受診される方が多いです。
また令和3年4月に発売された抗CGRP抗体製剤などを希望されて受診されるかたも多かったです。
日本国内では薬剤の使用過多による頭痛患者さんは片頭痛患者さんの3%未満とされておりますが当院では片頭痛患者さんの約2割(17%)もの患者さんが薬剤の使用過多による頭痛で当院に受診されてます。
また、群発頭痛という重症頭痛の患者さんは日本国内で5万6千人から40万1千人というデータがでており片頭痛患者さんの数を100とすると0.7から4.7となっており(正確な有病率は不明)ます。
当院の群発頭痛の患者さんの数は片頭痛患者さんの数を100%とすると10%くらいになります。
多くの群発頭痛の患者さんが当院に受診されてることがわかります。
当院でも片頭痛治験薬の投与を行いましたが、令和3年4月にガルカネツマブ、8月にはエレヌマブ・フレマネズマブの抗CGRP抗体・抗CGRP受容体抗体が発売されました。現存する予防薬のなかでは群を抜いて有効のようです。
統計には載せておりませんが肩こりなどから由来したと思われるだろう後頭神経痛や頭部外傷後頭痛・変性疾患に伴う頭痛など脳神経内科専門医として、二次性高血圧にともなう頭痛・内分泌疾患や呼吸器疾患にともなう頭痛など内科専門医として診断力を活用できた頭痛も多かったです。
また帯状疱疹による頭痛もコロナ禍になり1.4倍もの患者さんが受診され、COVID19後頭痛やコロナワクチン後の頭痛で来院されるかたが多かったのが今回の特徴でした。