広島市中区いのうえ内科脳神経クリニックにおける頭痛患者さんの統計
広島で頭痛外来を行ってます。
当院における頭痛患者さんの統計をまとめました。これは平成27年10月から毎年行っておりますが昨年度(平成31年10月7日から令和元年10月6日)の患者さんは以下のような結果になりました。
ホームページにも発表する予定ですのでご覧いただけたら助かります。
坂井教授らの電話手紙インタビューでの全国調査によると、緊張型頭痛の患者さんは片頭痛の4倍弱といわれております。
当院では緊張型頭痛の患者さんが302名で片頭痛の患者さんは994名となってます。
これは緊張型頭痛の患者さんは頭痛も軽いため病院に受診する必要がない方が多いためです。
当院に受診される多くの緊張型頭痛の患者さんは片頭痛など日常生活に支障をきたす頭痛を合併している患者さんのようです。
当院の特徴は重症な頭痛患者さんが多いことです。
鎮痛剤や他院から処方された片頭痛治療の特効薬とされるトリプタン製剤などを飲み過ぎて受診される方が多いです。
日本中ではこのような薬剤の使用過多による頭痛患者さんは片頭痛患者さんの3%未満とされておりますが当院では片頭痛患者さんの約2割(16%)もの患者さんが薬剤の使用過多による頭痛で当院に受診されてます。
また、群発頭痛という重症頭痛の患者さんは日本国内で5万6千人から40万1千人というデータがでており片頭痛患者さんの数を100とすると0.7から4.7となっており(正確な有病率は不明)ます。
当院の群発頭痛の患者さんの数は片頭痛患者さんの数を100とすると7.6%くらいになります。
多くの群発頭痛の患者さんが当院に受診されてることがわかります。
今年はコロナ禍のため学校が休校になり、子供たちの運動習慣や早寝早起きとかの生活習慣が乱れることによる起立性調節障害による頭痛がめだちました。
通常は男児と女児の片頭痛の割合は同じ位なのですが、今年は男児の片頭痛診断の割合が減っているようです。
当院では昨年より片頭痛治験薬の投与を行ってましたが、現存する予防薬のなかでは群を抜いて有効のようです。
統計には載せておりませんが頭部外傷後頭痛・変性疾患に伴う頭痛など脳神経内科専門医として、二次性高血圧にともなう頭痛・内分泌疾患や呼吸器疾患にともなう頭痛など内科専門医として診断力を活用できた頭痛も多かったです。