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頭痛の前兆?目の前にキラキラした光が見える閃輝暗点

井上健

井上健

テーマ:頭痛の症状・原因

いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。
寒くなってきました。
毎日の散歩も歩き始めがツライです。
継続は力なり。
つづけていきたいと思います。



本日は片頭痛の症状でおこる閃輝暗点(せんきあんてん)についてです。
【概要】
片頭痛の前兆として「閃輝暗点(せんきあんてん)」があります。どんな症状なのか、そして対処法などを説明します。

突然目が見えづらくなり頭が痛い!

 どうしたらいい?
「デスクワークをしていると、突然画面の一部が見えなくなって、何かキラキラしたものが見えはじめた」
「30分ほどしたら、元通り見えるようになったけど、今度は頭がものすごく痛い」
こんなことが繰り返し起こったら、自分はいったいどうなってしまうのかとても不安になります。
これは、片頭痛の前兆としてよく起こる「閃輝暗点」と考えられます。
このあと、頭痛だけでなく吐き気を感じる人もいます。
片頭痛が原因で起こる「閃輝暗点」は、安静にしていれば痛みも治まり、視界も正常に戻ります。あわてず落ち着いて対処するようにしましょう。

片頭痛とは

多くの人が悩まされている片頭痛は、「一次性頭痛」の1つです。
一次性頭痛は、原因となる病気が見当たらないのに繰り返し起こる頭痛を総称したもので、片頭痛の他に「緊張型頭痛」「群発頭痛」などがあります。
片頭痛は、ズキンズキンと心臓の拍動に合わせたように痛むのが特徴です。
この頭痛は、頭の中にある三叉神経に、ストレスなどの刺激が加わることで神経伝達物質が放出。
その結果
付近の血管の拡張や炎症を引き起こし、それらの刺激が脳に伝わって頭痛となります。
頭痛だけでなく、吐き気や嘔吐といった症状が起こることもあります。
この頭痛は血管が拡張して起こるため、痛みが出はじめたときは、その部分を冷やして血流の循環を抑える方法で痛みを緩和します。
痛みのない時は、*心身をゆっくりと休めるなどストレスを解消して予防に努めてください。

閃輝暗点と片頭痛 その対策は?

片頭痛の起こる原因は、光や気温、気圧といった環境の変化がストレスとなって痛みを感じると考えられていますが、閃輝暗点は、片頭痛の前兆として症状が現れます。
そのため
この前兆が起こらないようにするには、強い環境の変化をできるだけ避けるような工夫を日々の生活で取り入れていくようにします。
具体的には、パソコンを1日中使う仕事なら、光による刺激が多いことが予測されるので、ブルーライトのカットシートを画面に貼る、ブルーライトから目を保護するレンズを入れたメガネをかけるなどで光を受けすぎないように気を付けます。
また閃輝暗点が起こったら、すぐに鎮痛剤を飲んでおくと、後からくる痛みを和らげることができます。

閃輝暗点以外の片頭痛の前兆や症状は?

閃輝暗点といった片頭痛の前兆は、片頭痛をもつ人の20~30%の割合で起こるといわれています。
片頭痛は、脳が過敏になっている状態なので、頭痛以外の皮膚や手足へのちょっとした刺激を痛みと感じることがあります。

片頭痛の患者では、次のような症状を訴える人もいます。

・髪の毛がピリピリする、結んでいると痛い
・メガネやイヤリングが気になる
・風が顔に当たると痛い
・頭や顔の痛い側が枕などに当たると寝られなくなる
・手足のしびれ
・腕時計をしていると落ち着かない
・布団や毛布が体に触れると不快
このような前兆や症状は、閃輝暗点とともに片頭痛にみられる独特の特徴です。

閃輝暗点と片頭痛の関係性

片頭痛において、閃輝暗点や皮膚などの過敏症状はなぜ起こるのでしょうか?
片頭痛は、血管の拡張や炎症物質が脳にある三叉神経に伝わり起きますが、この時に刺激を受けた三叉神経が、顔や頭皮などの頭部の末梢神経や視床に伝わり、それぞれの場所で刺激に過敏に反応して痛みや不快感を覚えます。このような神経の過敏な状態を「アロディニア」と呼んでいます。
閃輝暗点や手足のしびれ、不快感といった自覚症状はアロディニアです。アロディニアが出る片頭痛患者は、全体の7割ほどいるとされています。
片頭痛の患者は男性よりも女性の方が多く、発症ピーク年齢は男性20代、女性30代と言われていますが、10代女性の片頭痛患者もいます。
ホームページでは毎年、当院の頭痛患者さんの統計を発表しております。
片頭痛以外にも神経過敏の症状が出ていると、自己判断で市販の鎮痛薬を飲んでも効かない場合も出てきます。
こんな時は、医師に相談して薬の処方してもらい、その服用方法についても細かく指示を受けて、片頭痛を長引かせないようにしてください。

閃輝暗点だけあって、頭痛がない時は要注意!

閃輝暗点は片頭痛の独特な症状の1つですが、まれに閃輝暗点の症状が出ても、頭痛が伴わないこともあります。
こんな時は、脳の血管になんらかの異常があったり、腫瘍などがある可能性もあります。
これらは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管の病気で、命にかかわります。
これらの病気のために起こる頭痛は「二次性頭痛」と分類されています。
最初は、片頭痛だったとしても自分で対処して長期間放置している間に、脳梗塞を発症してしまうこともあります。
いつもの頭痛が、薬を飲んでも効かないとか、手足が動きづらいといった別の症状を伴うようになってきたら要注意です。
二次性頭痛に分類されている頭の病気は、一度発症してしまうと治療をしても重い後遺症が出ることもある、大変危険な病気です。
「頭痛がいつもと違う」と感じたら、すぐに医師の診察を受けてください。
*片頭痛の予防には生活習慣の改善が有効です。
 また瞑想・マインドフルネスなども有効です。

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井上健
専門家

井上健(内科医)

いのうえ内科脳神経クリニック

あらゆる頭痛の原因を診断するためには脳だけの専門でなく全身を診ることが必要になることもあります。

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