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コラム

脳梗塞の症状─ろれつや顔のゆがみ、身体の片側が動かしにくくなるなど

2019年4月6日 公開 / 2019年8月11日更新

テーマ:頭痛の基礎知識

いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。

満開に咲く桜を見ながらのウォーキングは格別な楽しみです。
本日は脳梗塞についてです。
頭痛の基礎知識としての十回目のコラム。
【概要】
脳梗塞は、脳動脈の血行不良が原因で脳の神経が侵され、さまざまな症状が出る病気です。
発見や治療が遅れれば生命の危機もあり、助かったとしても予後に後遺症が残るリスクの高い病気です。
症状の特徴や治療法、予防法などを紹介します。

脳梗塞患者が増えている理由

「脳梗塞」は脳の病気の中でも、「脳卒中」のひとつに分類されています。
脳梗塞は、さまざまな原因で脳内の血行が悪くなり、血液を通して酸素や栄養を脳組織に十分に届けることができないために、脳の神経細胞が死んでしまうことで発症します。
脳梗塞の他には「脳出血」と「くも膜下出血」が脳卒中の病気とされています。
これらの病気は、生活習慣病のひとつとされています。
かつては、脳出血の患者数が脳卒中患者の4分の3を占めるほど多かったのですが、脳出血の根本的な原因である「高血圧」対策により、患者数は減少してきました。
その反面
近年は、食生活の欧米化などで脂質異常症や糖尿病が増加したために、血管が詰まる「脳梗塞」が増えています。
少し古いですが、2006年の調査
 脳梗塞患者が60%を占めるまでになっています。

脳梗塞の種類

脳血管が詰まる場所やその程度により、脳梗塞はさらに次の3タイプに分けられています。
1.ラクナ梗塞
脳の細い血管がつまります。
2.アテローム血栓性脳梗塞
動脈硬化が原因で太い血管が詰まります
3.心原性脳塞栓症
不整脈により心臓の左心房に血栓ができて、脳の血管をつまらせて発症します。
脳梗塞の中でも症状が急激に現れ、多くの場合、症状は重症です。
こんな様子が見られたら? 脳梗塞の症状の特徴は?
脳梗塞は、発症してから4.5時間以内で診断をつけて治療が開始できれば、後遺症を軽くできる可能性があります。
ちょっとした体の異変に早く気づくことが、脳梗塞発見のポイントになります。
次のような異変を感じたら脳梗塞の危険があります。
・失語症→急に言葉が出なくなる
・構音障害→ろれつがまわらない
・片側の顔面の麻痺→原因がないのに顔がゆがむ
・一過性黒内障→片方の視力が急に低下する、視界の半分が見えない
・片麻痺→片腕、片足が上がらない、動きづらい
これらの脳梗塞の予兆は、「一過性脳虚血発作(以下TIA)」と呼ばれる症状が出たために発生すると考えられています。
そして
脳の血管が血栓で一時的に詰まるために起こるといわれています。
30分程度で症状がおさまるため、見過ごしてしまいがちですが、その後48時間以内に半数の人が脳梗塞を発症したというデータもあります。
場合によっては3カ月以内か、あるいは5~20%の割合で脳梗塞を発症するともいわれているため、すぐに医師の診察を受けるようにしてください。

脳梗塞の診断から治療にいたるまで

まず頭部CTやMRI検査を行い脳梗塞の有無を確認。
MRIでは、「拡散強調画像」法を使うと、発症して2週間以内の脳梗塞は、白く映し出されるので、脳梗塞を発症しているかどうかがすぐにわかります。
そして血管の詰まっている場所を特定するために、血管内カテーテルを使い脳血管撮影を行うこともあります。
急性期における脳梗塞の治療は、薬による内科的治療が行われています。
ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞では、主として次のような治療が行われています。
・脳を保護する
・脳のむくみや腫れを抑える
・血液の固まりを抑える
心原性脳塞栓症では、発症から4.5時間以内で、CTやMRI検査で脳梗塞が進行しておらず、回復の見込みがある、治療に際して危険度が高くないと判断された場合は、血栓溶解療法を行うことがあります。
この治療は、血栓を溶かし閉塞した血管を再開通させるもので、発症後すぐに処置ができれば劇的な回復が期待できるものです。

脳梗塞の予後

以上のような治療を経た脳梗塞の患者の予後は次のようになっています。
・後遺症がなく退院できる…20%
・後遺症が残り退院…60%
・死亡…20%
これらのデータを見ると、脳梗塞を発症した場合、多くの人が何らかの後遺症を抱えることがわかります。
そのため
脳梗塞は発症後のリハビリテーションも大切ですが、それ以上に脳梗塞を起こさない予防につとめることが最も重要だと言えます。

脳梗塞予防のためにやるべきことは?

・高血圧対策
血圧が高ければ、血管にかかる負担も大きくなります。塩分を取りすぎないことと、適度な運動で血圧コントロールをしてください。
・糖尿病の悪化を防ぐ
動脈硬化を引き起こす病気です。医師のアドバイスを受けながら食事や運動、薬物療法を行い、適正な血糖値の維持に努めてください。
・脂質異常症(高脂血症)の治療
糖尿病の人が併発しやすく、動脈硬化が進むリスクが高くなります。血液中のコレステロールや中性脂肪の値が高くなります。
自覚症状がほとんどなく、突然、心筋梗塞などの発作を起こして発病に気づくことが多い病気です。
医師のアドバイスを受けながら、薬物治療を受け、定期的に血液検査で値をチェックし、バランスの取れた食生活と適度な運動を習慣づけてください。
・生活習慣の改善
飲酒は量が過ぎないように注意します。喫煙は、脳梗塞発症リスクを高めるため禁煙が望ましいと言えます。
肥満は、高血圧や糖尿病、脂質異常症のリスクを高めるため、食べ過ぎに注意し、適度な運動を行って体調管理に努めましょう。

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