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コラム

10円ハゲのはなしからめずらい貨幣状頭痛

2019年1月20日 公開 / 2019年4月28日更新

テーマ:広島の頭痛外来

いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。
本日は10円ハゲのお話から、非常にめずらしい貨幣状頭痛のお話を。
*ハゲという表現は不適切ですが、内容のわかりやすく理解するために使用させていただきます。



10円ハゲ

10円ハゲは正式には円形脱毛症とか抜毛症であったり。
どちらの病気も身体的・精神的ストレスが起因してます。
円形脱毛症はストレスによって、自己免疫反応がおこることが原因と考えられております。
抜毛症は髪の毛を抜く癖。
癖はなくて七癖で、だれにでもあるのですがそれが、偶然に抜毛症となったわけです。
治療には漢方を主体として、生活習慣の指導、潜在性疾患の診断と治療です。

貨幣状頭痛 (Nummular headache)

10円ハゲではなく、10円玉くらいの頭皮が痛むという病気もあります。
これは10円頭痛とは言わず、正式名称は貨幣状頭痛といいます。
非常にめずらしい頭痛です。

当院の貨幣状頭痛

当院では毎年約1000名の片頭痛患者さん、50名の群発頭痛患者さんが来院されておりますが、この貨幣状頭痛は年に一人から二人だけ。
この頭痛を主訴に受診されるかたの多くは、なんらかの基礎疾患(頸椎椎間板ヘルニア術後・円形脱毛症・松果体のう腫・睡眠障害)をもっていることが多い印象。
基礎疾患が精神的疾患に由来する、貨幣状頭痛があるかたは頭部MRIでも異常がなく、インドメタシンという鎮痛薬が効果ある印象です。
しかし
当院の経験はわずか6名です。

文献報告における貨幣状頭痛

文献的には2009年の国際頭痛学会誌(Cephalalgia)に4名の症例報告がでております。
2例は二次性頭痛。
 ・1例は疼痛部位にMRIでのみ描出される良性病変。
 ・1例は下垂体腫瘍の経蝶形骨洞手術後に発生。
他の2例は一次性頭痛。
 ・1例は片頭痛に併発
 ・1例は緊張型頭痛に併発。
【参考文献】
Alvaro LC, et al. Nummular headache: a series with symptomatic and primary cases. Cephalalgia 29 (3):379-383, 2009.)
このような報告からも、貨幣状頭痛は二次性頭痛の可能性が高いので注意が必要と考えてます。

国際頭痛分類での貨幣状頭痛

国際頭痛分類(ICHD-IIIb)では 「4.その他の一次性頭痛疾患」のひつとして分類されています。
4.8 貨幣状頭痛(Nummular headache)
以前は、硬貨形頭痛(coin-shaped headache)と言われてました。
局所構造物に病変が存在しない状態で起こります。
頭皮の小領域に持続時間がきわめて多彩におこり、しばしば慢性となる痛みです。

診断基準:

A. 持続性あるいは間欠的な頭痛で、B を満たします。
B.頭皮の領域に限局して感じ、以下の特徴すべてを満たします。
 1. くっきりとした輪郭
 2. 大きさと形が一定
 3. 円形または楕円形(三角形などはだめ)
 4. 直径が1-6cm
C. その他の疾患によらない

若干女性におおいといわれておりますが、当院では6名中4名が女性でした。
自然によくなるかたは患者さんの38%といわれておりますが、数週間~数ヵ月後に持続性の痛みが再発するとも。

まとめ

・10円ハゲについて
・貨幣状頭痛とは
・当院の貨幣状頭痛の患者さん
・文献的考察
・診断基準について

当院を受診していただけるかたへ

当院は予約なくても受付時間内でしたらいつでも受診されてください。
初診のかたは初診受付というシステムもつかっております。
ホームページ右上からお入りいただけると助かります。
*当院の前の道路(江波線を東に一本入ります)は南から北の一方通行ですのでお気をつけください。

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