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井上健(いのうえけん) / 内科医

いのうえ内科脳神経クリニック

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コラム

頭痛や肩こりは頭や首以外が原因でおこることもあります。甲状腺疾患や糖尿病にも注意!

2018年10月7日 公開 / 2020年11月9日更新

テーマ:広島の頭痛外来

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 肩こり改善糖尿病 予防頭痛 原因

本日は頭痛や肩こりで病院にいこうと考えられているかたに。



内科疾患と頭痛・肩こり

頭痛や肩こりがひどいからそれをなおしたいお気持ちはよくわかります。
しかし、あなたの症状は本当に頭痛や肩こりだけでしょうか?

甲状腺機能異常と頭痛

先日、毎日頭痛がおこるようになったと40代の男性が受診。
この男性は半年前から頭痛がはじまってました。
数カ所の病院で頭部MRIやCTを何度か撮影されて異常なし。
お話しをつかがうと
夜間の動悸や息切れをともなうこと。
診察時には手指と足が震えてます。
首の正面には甲状腺という、新陳代謝のコントロールするホルモンをだす臓器があります。
彼の首は少し腫れてました。
甲状腺が大きくなって、異常に多くの甲状腺ホルモンが分泌されていることが推測。
頭痛・動悸・息切れ・震えの原因は甲状腺ホルモンと考えました。
バセドウ病か?
血液検査では甲状腺ホルモンの異常亢進と甲状腺受容体抗体の増加が認められました。
バセドウ病と診断。
6ヶ月続いた頭痛は数日で甲状腺のお薬とベーター阻害薬という脈拍を落ち着けるお薬で治りました。

糖尿病と肩こり

両上肢のひどい痛みと肩こりで米国国籍の40代の男性が受診。
この男性も半年ほど前から出現した、肩こりと上肢の痛みです。
上肢の痛みですから頚椎あたりの病気を疑います。
数カ所の病院で、頚椎のレントゲン・CT・MRI撮影をされており原因不明。
患者さんの訴えをよく聞くことが医療の基本。
しかしこのかたは日本語がいまひとつでした。
英語でお話しを聞きました。
強い口渇感・頻尿(尿の回数が多くなる)の訴えはすぐにわかりました。
採血でヘモグロビンA1c(エーワンシー)という数ヶ月の平均血糖値と測定。
HbA1c=10.5%
これは糖尿病です。
この方は糖尿病の治療を開始と同時に水分補給をすすめました。
数日で半年ぶりにひどい肩こりと上肢の痛みから解放されました。

頭痛や肩こりは脳や首が原因?

頭痛や肩こりは脳や首が原因のことは多くありますが、このように内科疾患が原因のこともしばしばあります。
頭痛や肩こり症状と無関係だと思われること。
動悸や息切れ、あるいは口渇・頻尿。
頭痛や肩こりが出現したころから起こった症状には要注意。
なんでもお医者さんには相談されてみてください。

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