広島市中区いのうえ内科脳神経クリニックにおける頭痛患者さんの統計
この度の西日本豪雨により被災された皆様、ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
「命の危険がある。災害と認識している。」
気象庁が、そう表現した記録的な暑さ。
われわれの意識変革が大切です。
熱中症では1000人異常が亡くなる年もあり。
今年もその年になるのではないかと危惧されております。
暑さに対する身体の抵抗力、住環境なども熱中症発症に強く関連しております。
体こそ資本です。
生活習慣をみなおしごムリなさらないように。
本日は熱中症のひとつの症状である頭痛について記事を書きます。
熱中症での頭痛に注意
猛暑の影響もあり、最近熱中症の患者さんを多くみます。
なかでも頭痛と嘔吐です。
熱中症での頭痛は、熱中症でも初期の症状を通り越していることが
この頭痛は、痛み止めのみ飲むのではなく、熱中症によって失われた水分やミネラルの補給が大切。
吐き気や嘔吐で飲水できない場合は、点滴による水分、ミネラル補給が必至です。
痛み止めのみ飲んで、暑さのなかで作業することは非常に危険なことです。
痛み止めのなかには、痙攣を誘発するものや、血圧をさげるものまであり高度熱中症になりやすくします。
熱中症で頭痛かと思いましたが、一週間以上も続きます。
西日本豪雨の災害復興支援で日々作業されている患者さんが来院。
熱中症の頭痛は体内の水分やミネラルバランスが崩れ、体温調節が狂ってしまう状態で起出現。
これらの状態は正常になるまで数日かかるといわれております。
一度熱中症になれば数日間は熱中症を再発しやすい状態になることが考えられます。
この患者さんのように、日々炎天下で熱中症による頭痛を痛み止めでこらえながら作業していては頭痛の慢性化する結果にも。
熱中症による頭痛かと
・60代の女性
頭痛と倦怠感を主訴に
やたらと喉が渇きお水を飲むようになり、夜間にこむら返りを起こすようになりました。
患者さんは熱中症かと思い当院に受診。
尿検査で尿糖が陽性。
血糖値は300mg/dL を超えてました。
随時血糖値が200mg/dlを超えると糖尿病です。
この方は、1型糖尿病を発症しておりインスリンによる治療を糖尿病専門医により開始しました。
・10代の女性
炎天下で運動中、キラキラと視野の中心が光、見えにくくなり頭痛と嘔吐。
熱中症かと思い当院に受診。
頭部MRI検査で後頭葉に脳腫瘍がみつかりました。即日、某総合病院に入院されました。
我々のからだは体調不良時に潜在的にもっている病気の症状が出現することがあります。
この女性のように脳腫瘍があっても症状なく生活され、炎天下で軽度の熱中症で脳腫瘍による頭痛発作が出現したと考えます。
このように熱中症と思われる頭痛には要注意されてください。
熱中症で頭痛の症状がでて、症状が悪化しているとき、頭痛が数日たっても軽快しないときは医療機関の受診をお勧めします。
*熱中症で軽快傾向にある頭痛の場合はまず心配ございません。
水分とミネラルの摂取と熱中症の予防を継続してください。
過去の熱中症に関する記事
マイベストプロ 脱水症と頭痛(平成30年6月24日発行記事)
広島頭痛脳神経ブログ(院長ブログ)
気象病について(平成30年5月11日記事)
日常生活に潜む熱中症を予防しましょう(平成30年7月9日記事
熱中症に注意(平成30年7月23日記事)
破傷風ワクチン接種について(平成30年7月26日記事)