妊娠中の急性期頭痛薬
生理前になると頭痛がおこる。
これは、月経関連頭痛といいます。
月経関連頭痛の約7割が片頭痛だといわれてます。
月経関連片頭痛といわれるかたもありますが、
ただしくは片頭痛発作が月経により誘発されたと考えます。
生理前には女性ホルモンの関係で、いろいろな不快な症状が現れます。
片頭痛と同様に日常生活に支障をきたすことがあります。
この不快な症状をきたすことを月経前症候群(げっけいぜんしょうこうぐん)といいます。
月経前症候群(PMS)とは
多くのばあい、生理が始まると症状が軽くなり消失します。
おもな症状には体におこる身体症状と気持ちに影響する精神症状があります。
1身体症状
下腹部の痛み
お腹のはり
乳房の痛み
関節痛や筋肉痛
皮膚のトラブル
むくみ
頭痛
めまい
肩こり
2精神症状
いらいらや情緒の不安定
憂鬱な気分
注意力の低下
睡眠障害
PMSの頻度
生理のある女性の約3から4割のかたがPMSを自覚されるといわれております。
PMSの時期
生理前といっても個人差があります。
私の患者さんで、ネットでPMSについて知ったというかた。
生理前10日 気分不良でPMSがでてきたそうです。
実際には生理前の一週間くらいから症状があらわれる方が多いようです。
ひとにより、二週間前だったり二日前からだったりするようです。
PMSに関連してPMDDという言葉もあります。
PMDDとは月経前不快気分障害です。
PMSの症状のうち、精神症状がとくに悪くなり日常生活に支障をきたす症状をPMDDとよんでいます。
抑うつ感
気力の減退
絶望感
涙が止まらなくなる
いらいら感
怒りやすくなる
攻撃的
感情のコントロールが困難
怒りの爆発
記録をつけることの重要さ
片頭痛の患者さんには頭痛手帳というのをおわたししてますが、ぜひこれらの気分の状態や身体の状態を記録してみることをおすすめします。
症状を記録つけているうちに
ご自分がPMSやPMDDにより困っていることが客観的にわかります。
治療
カウンセリングと生活指導
前述しました日誌などから、仕事や家事の量の調整をしたりします。
生活の基本である、睡眠と運動、食事なども調整します。
薬
漢方薬が有効です。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
加味逍遥散(かみしょうようさん)
抑肝散(よくかんさん)
女性ホルモン剤は婦人科の先生が処方するのを得意としております。
*基本的にPMS PMDDの治療の専門家は婦人科です。
精神科ではありません。
ただし基礎疾患をもっている場合にはその治療は基礎疾患の科が主体になることがあります。
注意
生理前におこる症状は基礎疾患があるがゆえに起こることもあります。
生理前の頭痛について悩まれているならば、PMSだろう、片頭痛だろうとシロート判断せずに一度頭痛専門医を受診するのも大切です。