緊張型頭痛
わたしどもは、広島で脳神経を中心に内科疾患を診療しております。
頭痛の訴えで来院された場合、一番多いのは片頭痛(偏頭痛)です
次に多いのは神経痛です。
その次に二次性頭痛です。
二次性頭痛とは脳に限らず体に異常が検査でみつかる頭痛です。
くも膜下出血などの脳血管障害などかあら蓄膿症や風邪などによる頭痛などなんらかの原因が検査でみつけることができる頭痛を二次性頭痛といいます。
本日は、一次性頭痛のなかでも病院に受診する頻度の少ないものについてふれてみます。
恐ろしい病気と鑑別が必要な頭痛だが頻度が少ないため病院受診は
1.一次性咳嗽性頭痛(いちじせいがいそうせいずつう)
咳あるいはいきみ手技(バルフサルヴァ手技)によって誘発される頭痛。
持続時間 1秒から2時間
2.一次性運動時頭痛
運動によって誘発される頭痛。
一次性咳嗽性頭痛は咳やいきみ手技ですので、短時間の労作によって誘発されますが、こちらは激しい運動を続けることにより誘発されます。
持続時間は48時間未満となりますが、多くのかたは5分未満です。
3.性行為にともなう一次性頭痛
性行為によって誘発される頭痛です。
通常は、性的興奮が高まるにつれて頭の左右こめかみ付近に鈍痛として始まり、オルガスム時に突然強くなります。
持続時間 重度な痛みは1分から24時間で、軽い痛みは72時間
4.一次性雷鳴頭痛
前述の一次性咳嗽性頭痛、一次性運動時頭痛、性行為にともなう一次性頭痛はいずれも、雷鳴頭痛として発症することがあります。
突然発症で、一分未満で痛みの強さがピークになり5分以上続きます。
以上は、RCVS(アールシーブイエス)やくも膜下出血など命に関係する頭痛との鑑別が必要です。
これらの頭痛を経験されたかたは頭痛疾患を診れる医療機関に受診されてください。
5.一次性穿刺様頭痛
アイスピック頭痛とかいわれていた頭痛です。
持続時間 数秒
頻度は日に一回から多数です。
80%のかたは3秒以内の持続です。
診断基準外の10から120秒の報告もまれにあります。
三叉神経痛や椎骨動脈解離などが鑑別にあがります。
この頭痛も頭痛疾患を診れる医療機関に相談されてください。
以下の頭痛は多くのひとが経験する生理的な頭痛です。
頻度は多いもの病院受診する必要がないものです。
冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛
アイスクリーム頭痛、冷たいものを摂取に伴う頭痛というように以前は呼んでました。
カキ氷などの冷たい食物や飲み物の摂取、あるいは冷気の吸息による口蓋または咽頭後壁への寒冷刺激の直後に誘発されておきます。
寒冷刺激除去後には10分以内に頭痛は消失しないといけません。
*持続時間をこまめに記載してますが、この持続時間は大切なのです。
雷がおちるような頭痛は一次性の場合は一分以内のピークです。
ちなみにくも膜下出血のピークで一番多いのは7分後のピークといわれるデータもあります。