マインドフルネス
うつ病でないのに抗うつ薬をだされて医療不信になられてませんか?
「確かに問診のときに、少し気分がさえないことを言った。
だから先生は抗うつ薬をだしたんだ。」
「でも、わたしは絶対にうつ病やうつ状態ではない。
こんな薬飲めなんてひどすぎる。
先生はこの頭痛をストレスのせいだと思っているにちがいない。
偏見だ。
もう二度とそのクリニックにはいかない。」
そう、思われたことがある方はいませんか?
当院では、私やスタッフがよくよく説明をしてます。
「このお薬はうつ病のお薬で作られました。
でも今ではうつ病としてより片頭痛や緊張型頭痛の治療薬として使用されることが多くなりました。
とくに私が出すような小用量ではこのような古いお薬をうつ病を治そうとして処方する精神科の先生は少ないですよ。」
このような説明をしております。
つまり、このお薬は本当に片頭痛の予防薬として処方するのです。
アミトリプチリンというお薬です。
くすりの説明には、確かに抑うつ状態改善のお薬だとか夜尿症のお薬だとか書いております。
しかし、説明書によっては片頭痛予防薬や緊張型頭痛のおくすりと書いているものもあります。
つまり、どちらにも効果あることが認知されております。
医師はよく、うつ病のことを「脳の神経伝達物質の不均衡と説明します。
セロトニン、ノルエピネフリン、GABAのレベルの変化は、痛み、気分、血圧、発作のリスクなどにも影響します。
このために、アミトリプチリンが様々な疾患の治療に効果があるのです。
昔、抗うつ薬の治験が行われたときに、治験に参加した患者さんの集団が、片頭痛も改善したと報告されました。
このため、一時は、片頭痛は実はうつ病の兆候であるから抗うつ薬が効果あったのではと考えられることがありました。
ところが、うつ病のレベルで検討すると、片頭痛の症状は、抗うつ薬によってうつ病が改善された人たちも、改善しないかった人たちも同様に軽快していたことがわかりました。
つまり、片頭痛はうつ病の兆候ではない、そして気分の障害の有無にかかわらず、抗うつ薬は、片頭痛の予防的治療に有効だと判明しました。
同様に、降圧薬も片頭痛の予防薬として使用します。
おなじく、血圧が高くない人にも作用して片頭痛の症状を緩和します。
抗てんかん薬も、てんかん発作をおこしたことがない患者さんの片頭痛の症状を緩和します。
これは、高血圧の人の血圧や、てんかんの人の発作に影響を与える神経伝達物質が、片頭痛にも影響をあたえるためだと考えられているからです。