「こんなにある!使い勝手のよい助成金・給付金活用術セミナー」【広島商工会議所様 主催】開催の御礼
成果型賃金、業績給、成果主義など、賃金管理の方法が大企業を中心に大きく変わってきています。
労働契約は労働者が会社に役務を提供し、会社が労働者にその対価として賃金を払う契約ですから、働きに応じて賃金格差が出るのは当然です。しかし労働力の再生産費用でもありますから、賃金水準の低い中小企業が業績だけで決定することは非常に危険です。
賃金・人事制度は大手企業の物まねでない、個々の企業実態に即したものが必要です。
1.いくつもの要因がからむ賃金決定
・評価は平等でなく公平に!
会社はその事業によって利益を上げ存在し続けていくことができるのですから、より多くの利益を上げた者に良い評価とより良い賃金水準を保障することは当然です。
もし、働いた者もそうでない者も平等に同じ処遇をするのであれば、優秀な人材は会社を去ってしまいます。
・仕事はグループ単位が基本
多くの日本の企業では、仕事はグループ単位でこなしているはずです。例え営業であっても100%個人の力で成果を挙げているといったケースは少ないのではないでしょうか?
このような仕事のやり方を無視して業績だけで処遇を決定するのであれば、個人プレーに走る者が出て、結果として組織全体の力を落とすことにつながりかねません。
・労働力の再生産費用でもある賃金
従業員一人当たりの賃金は賃金総原資÷従業員数で求めることができます。 大企業であれば、分母になる従業員数が多いため、一部の者を厚遇しても他の者の賃金水準低下はわずかですみますが、中小企業ではそうはいきません。
また、賃金は従業員とって唯一の生活の糧です。賃金水準の低い中小企業では賃金の低下が即大きな不満となり、副業を始める者が出てきたり、モラルが低下するといったことも懸念されます。
・時代遅れの職能給?
大企業では長い間、「職能給」が賃金制度の根幹をなしていました。 そのため、新しく能力主義賃金制度を取り入れようとする中小企業の多くが職能給を検討しています。しかし、職能給は能力という目に見えないものを基に決定しますので、評価基準がファジーであること、定期昇給をベースとした右肩上がりの賃金制度であることから、時代遅れになりつつあります。
大企業が賃下げもあり得るフレキシブルな賃金制度に変えつつある中で、半ば硬直的な賃金制度である職能給を導入することは、中小企業の競争力を削ぐことにつながりかねません。
2.従業員に何を求めるのか?それが賃金・人事制度改革のスタートです!
大企業の物まねである賃金制度を採用することがどれだけ危険かわかっていただけたと思います。 しかし、長期勤続とそれによる個々の労働者のノウハウの積み上げが、事業活動にとってもっとも重要となる会社(例えば職人の優劣によって企業の評価が決まるような場合です)であれば、職能給はもっとも人事戦略にマッチした制度になります。要は、まず企業の経営方針があり、その方針に合った人事戦略を決定することが大切です。
3.評価のポイントは「納得」
どんな制度であれ低い評価を受けた者は必ず不満を持ちますが、この不満を持つ者をどれだけ少なく抑えることができるか。それが、従業員のモチベーションや企業のモラルに大きな影響を及ぼします。 そのためにはより多くの従業員が納得できる制度であることが大切です。
例えば「ふーてんの寅さん」に出てくるタコ社長の印刷会社に詳細な賃金人事制度を入れても意味がありません。「儲かったときは賃金を上げ、儲からなかったときは我慢する。」これが一番納得できます。
しかし、誰もが知っている大企業で、明確なルールを作らずに経営陣の一存で決定すれば、従業員はやる気をなくすでしょう。
4.従業員がやる気を持てる賃金・人事制度を目指します!
株式会社経営労務ブレインhttp://www.ml-brain.co.jp/ではすべての企業に通用する賃金・人事制度はないと考えています。 そのためコンサルティングを行うときは、時間をかけて調査し、経営方針の決定から関わった上で手作りの賃金・人事・退職金制度を構築いたします。 もちろん、既存の手法を否定するものではありません。経営方針や環境にマッチするのであれば、職能給、職務給、年俸制など融合させながら提案して参ります。
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