受動喫煙防止対策助成金の創設

遠地謙介

遠地謙介

受動喫煙防止対策助成金の創設

厚生労働省発表資料より


1.趣旨
職場における受動喫煙防止対策については、平成4年より、労働安全衛生法(昭和47 年法律第57 号)に基づく快適職場形成の一環として対策が講じられてきたところであるが、平成22 年12 月に労働政策審議会において、「一般の事務所・工場等では、全面禁煙又は空間分煙とすることを事業者の義務とすることが適当。また、飲食店、ホテル・旅館等の顧客が喫煙できることをサービスに含めて提供している場所についても、同様の対策が適当だが、顧客の喫煙によりそれが困難な場合には、換気等の措置を取ることが適当。」と建議がなされ、対策の一層の充実が求められているところである。そこで、飲食店、喫茶店、旅館業においても一般の事務所・工場等と同様に、換気等の措置ではなく、受動喫煙防止対策としてより効果的と考えられる喫煙室の設置による空間分煙の促進を図るため、労働者災害補償保険法施行規則(昭和30 年労働省令第22 号)の一部を改正し、「受動喫煙防止対策助成金」を創設する。


2.概要
(1)受動喫煙防止対策助成金の内容
次のイ~ハの全てに該当する中小企業事業主(※)の申請に基づき、喫煙室設置に係る費用に応じて、(2)の額を支給する.

イ 飲食店、喫茶店又は旅館業の事業者
① 飲食店等
 食堂、レストラン、専門料理店、酒場、喫茶店、その他の飲食店
 ② 旅館業
 旅館、ホテル、簡易宿所、下宿業、その他の宿泊業
ロ 喫煙室設置による空間分煙を行う事業者
ハ 喫煙室設置に係る書類を整備している事業者


※中小企業事業主とは
・小売業においては、資本金・出資金の額が5000 万円以下又は常用労働者が50 人以下
・卸売業においては、資本金・出資金の額が1億円以下又は常用労働者が100 人以下
・サービス業においては、資本金・出資金の額が5000 万円以下又は常用労働者が100 人以下
・その他の業種については、資本金・出資金の額が3億円以下又は常用労働者が300 人以下
 である事業主をいう。


(2)支給額
喫煙室設置に係る費用の1/4(ただし、支給上限は200 万円)


3 公布・施行期日
公布:平成23 年7月1日
施行:平成23 年10 月1日



フランス、イギリス、イタリア、カナダなどの先進国では、公共の場での建物内禁煙や完全分煙を法律で義務付けています。

フランス、イギリス、イタリア、カナダなどのように義務とまではいかなくても、分煙が進むのは分煙後進国の日本にとっては良いことであり、私情を挟むと煙草を吸わない私としても推進していきたい助成金です。

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遠地謙介(社会保険労務士)

アーチ広島社会保険労務士法人/広島県広島市

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