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様々な悩みを抱えている人に付き添い、一緒に考えるカウンセリング。よりよい選択ができるようサポート

大切な人との関わりを考えるカウンセリングのプロ

古元邦子

古元邦子 ふるもとくにこ
古元邦子 ふるもとくにこ

#chapter1

まずは「話をしっかりと聞く」ことから始まるカウンセリング

自分のこと、子どものこと、夫婦のこと、会社の人間関係について…。私達の人生には様々な悩みがつきものです。自分一人で解決できればいいのですが、どうしても一人では無理、誰かに話を聞いてほしいと思ったとき、気軽に相談できる場所があります。それが広島市西区にある「心理相談室アフォーダンス」です。

公認心理師・臨床心理士の古元邦子さんは、「気分が落ち込んでいる、自分の性格や生きづらさといった自分自身の悩みや、家族関係や会社の人間関係など相談内容は様々です。また自分のことがよく分からない、言葉にはならないけれどモヤモヤするなど、言葉にすることが難しい悩みもあります。カウンセリングでは、『今、何に困っているのか』をじっくりと聞き、一緒に考えることで、自分らしい選択ができるようサポートします」と話します。

カウンセリングには、いくつかの種類があります。古元さんが用いるのは「精神分析的心理療法」という手法です。「人と人が関わるところに『こころ』が生まれるという思想を背景にしたアメリカの精神分析で、対人関係に注目するのが特徴です。人と人との関わりの中から、自分のことを考えていきます。ここで私と一対一の関係を築き、話を聞いてもらえた、分かってもらえた、安心できたと感じていただく。そこから、もうちょっと頑張ってみようかなと思ってもらえる、そんなカウンセリングができたらいいですね」

アフォーダンスに相談に来られる方の多くは女性です。結婚や出産、子育てや仕事、介護の問題など、人生の節目に様々な変化を求められがちな女性には、それだけ悩みも多いということでしょうか。これまで古元さんが積み重ねたカウンセリングは400件ほど。古元さんは「人生の選択や悩みはそう簡単に答えが出るものではありません。悩みを抱える人に付き添って、一緒に考える。この関係をこれからも大切にしていきたいですね」と優しくほほ笑みます。

#chapter2

臨床心理学的な視点から子育てや保育園をサポート。企業向けのコンサルテーションも手掛ける

古元さんは個人向けのカウンセリングに加え、保育園や企業向けのコンサルテーションも手掛けています。

「保育園のコンサルテーションでは、定期的に園を訪問して、保育の支援を行っています。発達の偏りが気になる子どもさんについて、遊びの様子や周囲との関わりを観察して保育者と話し合ったり、子育てに不安を抱えている保護者の相談にのったり。外部の専門機関との連携が必要な場合は、やりとりがスムーズにできるよう支援もしています」と古元さん。

近年は「発達障害」という言葉が広く知られるようになり、ネットなどにも情報があふれて言葉がひとり歩きしてしまう傾向があります。いたずらに不安をかき立てられる保護者も多いのではないでしょうか。

「ネット社会では、どうしてもマイナス面を見てしまいがちです。でも、その子のいいところを見てあげる、関わり方を提案することで、子どもは変わります。そしてそれを見て保護者も変わります。これからも、臨床心理学的な視点から正しい情報を分かりやすく伝え、保育者や保護者を支援していきたいですね」

企業向けのコンサルテーションでは、ストレスを抱えながら相談できずにいる新入社員、若手社員にどう接したら良いのかという管理職の悩みなどを聞く機会が多いそうです。その組織に必要な心理的援助を、研修会の講師や電話相談、カウンセリングなどの方法で行っています。

古元邦子 ふるもとくにこ

#chapter3

誰かに相談することは恥ずかしいことじゃない。カウンセリングをもっと気軽に利用してほしい

大学で心理学を学んだものの、一度は心理学とは全く関係のない仕事に就いた古元さん。結婚退職後は、二人の子どもを育てながら大学院で心理学を再び学び、病院に入職。カウンセラーとして個人心理療法、グループ療法、心理検査を多数経験した後、2014年に「心理相談室アフォーダンス」を開業しました。

古元さんはこの仕事のやりがいについて、「私自身も相談者の話を聞くことで、常に新たな発見があり、勉強になります。人は簡単に変われるわけではありません。それでもカウンセリングを続ける中で、相談者の雰囲気が変わり、元気になられたなと思えたときはうれしいですね」と話します。

相談室名の「アフォーダンス」とは、アメリカの心理学者ジェームズ・ギブソンの造語で、「あなたを取り巻く環境に潜む可能性」のことです。

「カウンセリングを通して、あなたに働きかける何か=可能性が見えてくればいいなという思いを込めました。日本では、まだまだ個人的な悩みを人に話すのは恥ずかしいといった雰囲気があると思います。でも人に相談するのは、決して弱いことでも恥ずかしいことでもありません。秘密はお守りしますので、どんな小さなことでも話してほしい、もっとカウンセリングを気軽に利用してほしいと願っています」と古元さんは言葉に力を込めます。

コロナ禍で私達の生活や働き方が大きく変わる中、これまでとは違うストレスを抱える方も多いのではないでしょうか。そんなとき、言葉にできる悩みも、そうでないモヤモヤも、古元さんと話すことでラクになるかもしれません。相談は予約制。まずは落ち着いた部屋で、ゆっくりと古元さんに話を聞いてもらうことから始めませんか?

(取材年月:2021年1月)

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大切な人との関わりを考えるカウンセリングのプロ

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公認心理師

心理相談室アフォーダンス

完全予約制で秘密が守られる場所です。他では口にできないけれど、カウンセリングの場だから話せること、ご自身の考えや気持ちに触れながら、大切なことについてじっくりと話し合っていきます。

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