親から受け継いだ実家をどうすればよいのか分からず、気がつけば何カ月も手つかずのままになっているという方は、決して珍しくありません。相続が発生してすぐに動き出す方もいれば、何年も迷った末にようやく決断される方もいて、迷う時間の長さも人それぞれです。
当社でもこれまで、実家を相続したものの自身は遠方に暮らしていて、売るのか貸すのか、選択肢が多いぶん答えを絞り込めずにいるというご相談を数多くいただいてきました。
今回は、そうしたご相談の中から、いくつもの課題が重なっていたご実家の売却についてお話ししたいと思います。
思い出の詰まった実家と、次々に見つかった課題
思い出の詰まった実家と、次々に見つかった課題
ご相談くださったのは、他県にお住まいで、群馬のご実家を相続された方です。最初にお話を伺ったとき、はじめてのことで何から始めればよいのかさえ分からない、とおっしゃっていたのを私は今もよく覚えています。
ご実家には家族の思い出がたくさん詰まっていて、手放す勇気がなかなか持てないというお気持ちも、率直に打ち明けてくださいました。
ところが、いざ売却に向けて状況を確認していくと、課題は一つではありませんでした。まず、権利書が見当たらない状態でしたし、登記を確認すると親御さんの代に設定されたとみられる、経緯の分からない抵当権が残っていました。過去に増築した部分について、表題登記がされていないことも分かりました。
こうした手続き上の課題に加えて、建物を解体して更地にしたほうが売れるのか、建物を残したまま売り出したほうがよいのかという点も、お客様が判断に迷われていたことの一つです。
思い出のある家を取り壊すかどうかという問題は、損得だけで割り切れるものではなく、ご相談の初めの段階では、何をどの順番で考えればよいのかを整理するところから一緒に始めました。
地元から離れて暮らす方が、群馬の不動産会社に相談した理由
地元から離れて暮らす方が、群馬の不動産会社に相談した理由
お客様は当初、お住まいの近くにある不動産会社に査定を依頼されていました。ただ、提示された査定額にどうしても納得がいかず、あらためて群馬県内の不動産会社三社に査定を依頼されたうえで、最終的に当社を選んでくださいました。
当社では、まずお客様のご要望を伺い、AIを使ってデータを解析して土地や建物の価値を算出したうえで、実際に現地へ出向いて物件を確認、調査をして、その結果をもとに査定の根拠をお示ししています。
遠方にお住まいの方にとっては、実家のある地域の様子を自分の目で頻繁に確かめることが難しいので、数字の裏づけを一つずつ説明していくことを大切にしてきました。
今回のご売却で私が特に工夫したのは、少しでも高い価格で売却できる方法はないかを考え抜いたことです。結果として、当社では高い価格での購入を希望される買主様を見つけることができ、お客様が当社に任せてくださった一番の理由も、そこにあったのだと受け止めています。
もちろん、売却価格は物件の状態や立地、時期、買主様のご事情などによって変わるものなので、どのご相談でも同じ結果になるとは限りません。それでも、一件ごとに可能性を探り、お客様にとって納得のいく売却の道筋を考えることは、私たちが毎回欠かさず取り組んでいることです。
専門用語の一つひとつに納得してから前へ進む
専門用語の一つひとつに納得してから前へ進む
このお客様は、はじめて耳にする専門用語の意味をきちんと理解してから、次の段階へ進みたいと考える方でした。
権利書、抵当権、表題登記といった言葉は、不動産の売却に携わる私たちにとっては日常的なものですが、多くの方にとっては、人生で一度触れるかどうかという言葉です。意味がよく分からないまま書類に署名し、手続きだけが先に進んでしまうのは、ご自身の大切な財産のことだけに、不安が大きいのではないかと思います。
そこで私は、お客様からいただいたご質問のすべてに、丁寧にお答えすることを心がけました。一つの言葉を説明すると、そこからまた新しい疑問が生まれることもありましたが、そのたびに立ち止まり、お客様が納得されたことを確かめてから次の話に移るようにしています。
当社が日頃から大切にしているのは、話しやすい雰囲気であることと、小さな疑問にも全力で答えることの二つで、今回のお客様とのやり取りは、まさにその積み重ねでした。
更地にするか建物を残すかという点についても、ご質問にお答えしながら、判断に必要な材料を一つずつ整理しています。お客様のペースに合わせて進めることは、時間がかかるように思えますが、後から迷いや後悔を残さないためにも欠かせない工程だと、私は考えています。
スムーズに終えた決済と、心に残ったお客様の言葉
スムーズに終えた決済と、心に残ったお客様の言葉
いくつもの課題を一つずつ整理していった結果、決済はスムーズに終えることができました。依頼を受けてから調査や売買の手続きを重ね、数カ月をかけて決済の日を迎えたときには、私自身もほっとした気持ちになります。
お客様は、高い価格で購入を希望される買主様が見つかったことに、とても驚いていらっしゃいました。そして、「いろいろなことを丁寧に教えてもらえたので安心できた」という言葉をかけてくださったことが、私にとっては何よりうれしい出来事でした。
もう一つ印象に残っているのが、「女性だからというのは偏見かもしれないけれど」と前置きをされたうえで、「不動産屋は怖いという印象を持たずに済んだ」と話してくださったことです。不動産会社というと、どこか敷居が高く気軽に質問しにくいと感じている方は多いのかもしれません。
私が不動産の仕事に移ったのは2019年のことで、最初は戸惑うことばかりでしたが、お客様とお話しする時間が好きだという気持ちは、当時から変わっていません。お客様が安心して疑問を口にできる相手でありたいと、あらためて感じた一件でした。
ご実家の売却は一件ごとに違うから、まずは一度ご相談を
ご実家の売却は一件ごとに違うから、まずは一度ご相談を
今回ご紹介したのは一つの事例ですが、ご実家の売却に関するご相談は一件として同じものはありません。権利関係の状況、建物の登記の状態、ご家族の思い、売却を急ぐかどうかといった事情は、ご相談くださる方それぞれで異なり、同じ地域の似たような物件であっても進め方や判断の順番は変わってきます。
だからこそ、ネットの情報だけで判断したり、一人で抱え込んだりする前に、一度ご相談いただきたいと思っています。権利書が見つからない、身に覚えのない登記が残っている、増築した部分の扱いが分からないといったことも、話してみると状況が整理され、次に何をすればよいのかが見えてくることがあります。
当社には、お客様からのご紹介に加えて、各士業の専門家の方々からのご依頼も多く寄せられています。また、2023年には全国47都道府県に展開する日本空き家サポートにも加盟し、地域にある戸建ての定期的な点検もお任せいただくようになりました。
すぐに売却を決められない方にとっても、空き家をどう維持していくかを含めて相談できる窓口があることは、気持ちの負担を軽くする助けになるのではないかと思います。
気になることや分からないことがあれば、どんなに小さなことでも遠慮なく聞いてください。専門用語の意味をもう一度確認したいというご質問も、もちろん大歓迎です。ご実家への思いも含めてお話を伺いながら、お客様が納得して前に進めるよう、私たちも一緒に考えていきます。
まとめ
まとめ
思い出の詰まった実家の売却は、手続きの課題と気持ちの整理が重なる場面だからこそ、分からないことを一つずつ解消しながら、ご自身が納得できるペースで進めていくことが大切だと私は考えています。
・群馬県にある実家を相続し、県外にお住まいのまま売却を検討している方
・権利書が見当たらない、経緯の分からない抵当権が残っているなど、手続きに不安を抱えている方
・専門用語の意味を一つずつ理解しながら、納得して売却を進めたい方
お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらから:https://t-style6963.com/contact/


