【地域の安全も健康経営のひとつ】警察推奨の防犯アプリで、大切な人を守りましょう
現場で汗を流していた若かりし頃、私はよく「作業手順書」を作っていました。
今でこそスマートフォン一台あれば、写真や動画で誰でも簡単に記録が残せる時代ですが、当時はデジカメすら普及していなかった時代。
頼りになるのは、自分の「目」と「ペン」だけでした。
複雑な機械の構造や、指先の微妙な感覚が必要な工程をどう伝えるか。
私はよく、自分で「絵」を描いて手順書に添えていました。
「どうすれば一目でポイントが伝わるか」「どの角度から描けば勘所(かんどころ)が分かりやすいか」。
そんなことを突き詰めて考える時間は、絵を描くことが好きだった私にとって、決して苦な作業ではありませんでした。
実を言うと、この「絵を描く」という行為そのものが、対象を深く観察し、本質を理解するための最高の訓練になっていたのだと、今になって痛感します。
便利さの裏側に潜む「退化」の罠
翻って現代。私たちは指先ひとつで、目の前の光景を完璧な精度で切り取ることができます。動画を使えば、複雑な動きもそのまま保存できる。
これほど便利なことはありません。
しかし、この「便利さ」には、小さな落とし穴があるようにも感じています。
とりあえず写真を撮っておけばいい。動画を回しておけば安心だ。
そう思った瞬間、私たちの「観察する力」や「要点を抽出する思考」は、少しずつ眠りについてしまうのではないでしょうか。
記録が簡単になった分、もし使い道を間違えてしまえば、人間としての知覚や技能が「退化」してしまう恐れすらあります。
道具に使われず、道具を使いこなす
デジタルツールは、あくまで私たちの可能性を広げるための「拡張機能」です。
大切なのは、便利な道具に依存するのではなく、それを使って「何をより深く見ようとしているか」という意志を持つこと。
かつて私が白い紙にペンを走らせ、必死にポイントを探ったあの時の「観察眼」を、デジタルの力を借りてさらに鋭くしていく。
そんな姿勢が、これからのものづくりや経営には求められていると感じます。
技術がどれだけ進化しても、最後にそれを「知恵」に変えるのは人間の仕事です。
便利な時代だからこそ、あえて立ち止まって考える。
そんな「賢い道具の使い方」を、これからも現場の心とともに大切にしていきたいものです。
ありがたいご縁に感謝いたします。


