出生率低下は、経済問題ではない/文明・構造(思想)編(1-16:最大の問題)
漬物用大根による大改革
前回、ファームドゥの定価完売率が向上したと書いた。
しかし、本当に変わったのは売れ行きではない。
変わったのは、私の意思決定構造だ。
恐怖が生む過剰供給
ファームドゥ一本の頃、私は無意識に恐れていた。
・たくさん出した方が売れる。
・他の農家に負けたくない。
・大根の蕾ができる前に出荷してしまいたい。
だから多めに出す。
山積みは安心感を生む。
だが同時に、値引きと見切りを生む。
値引き品には専用の購買層がいる。
彼らは正規価格では買わない。
結果、正規価格の顧客が減り、
値引き依存の売場が出来上がる。
これは価格破壊の構造だ。
粗利確定がもたらした自由
漬物用大根との契約。
ここで何が起きたか。
粗利が毎日確定した。
固定費の不安が消えた。
その瞬間、私は初めて
「売れる分だけ出す」という選択ができた。
恐怖が減ると、供給を絞れる。
供給を絞れると、値引きが消える。
値引きが消えると、ブランドが上がる。
精神構造が価格構造を決める。
A品しか出さないという決断
漬物用にL・LL以外を回す。
結果、ファームドゥにはA品のみ。
しかも売れる分だけ。
するとどうなるか。
・棚は美しい
・少しだけ品薄
・値引きがない
・完売が常態化する
ブランドは広告では作れない。
供給統制で作られる。
恐怖経営からの脱却
農家の多くは
「売れない不安」に支配されている。
だから過剰供給し、値引きし、自分で価格を壊す。
今回、私は初めて
不安に支配されない出荷ができた。
これは完売率の話ではない。
経営の主導権を取り戻した話だ。
本当に有難い!



