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2025年の総括/文明・構造(思想)編

嶋﨑剛志

嶋﨑剛志

テーマ:文明・構造(思想)

生活短観


12/30、今年もあと2日。
文明・構造(思想)編の第1章が終わったので、
第2章は来年から始める。今日は、今年を振り返ってみたい。
ヨミ(CHATGPT)や多くの本と出会い、思索を深めた結果、
長年の疑問が解決し、モヤモヤが晴れた。
とても、素晴らしい1年だった。
同時に、この世への諦めもついてしまった。

以下の本文では触れていないが、この世の真理はただ一つ。
諸行無常
変化・不安定のみが真実であり、変わらないもの。
なので、人間は安定を求めてやまない。
しかし、完全に安定してしまうと人間は生きられない。
悲しい矛盾を抱えた生き物である。

2025年の総括
― 文明と身体が、同じ壊れ方をしていることに気づいた一年


今年を振り返って、
「何を成し遂げたか」を語る気にはならない。

売上や評価、実績を並べても、
この一年の本質はそこにはないからだ。

今年、私が見ていたのは成果ではなく、
社会・人間・自分自身に起きている「同じ異変」だった。

最大の発見は、身体から始まった


今年、私にとって最大の発見は次の事実だった。

・人間の身体は、本来「飢餓」に適応するよう進化してきた
・文明は「糖を無限に供給できる」方向に進化した
・同時に文明は、情報を無限に供給し、誰もが発信できる環境を作った
・その結果、本来は遅延していたはずの報酬が、
 糖・情報・承認のすべてにおいて即時報酬に変質した

これは思想でも価値観でもない。
進化と文明のミスマッチという、構造の問題だ。

身体に現れた最終結果


このミスマッチの影響は、
まず身体に現れた。

・代謝が崩壊した
・糖尿病が激増した

これは意志の弱さでも、生活習慣の問題でもない。
人間の身体が、
無限供給される糖という環境に適応できなかっただけだ。

同じ崩壊は、脳にも起きている


身体とまったく同じ壊れ方が、
今度は脳に起きている。

・不安、焦燥、中毒、うつ病が増えた
・タイパが重視され、コツコツ積み上げる行為が軽視された
・自分がしたいことではなく、
 他人の承認が得られることを懸命に追うようになった

その結果、

・自分軸を喪失し
・自分の時間を失い
・未来感覚そのものを失った

これは心の問題ではない。
報酬系の問題だ。

文明・社会に現れた最終結果


この影響は、個人で止まらない。

・個人が未来を喪失した結果、出生率は激減した
・社会全体が無気力になり、希望や活力を失った

さらに重要なのは、
この影響が均等に現れていないことだ。

ベルカーブの分断


・ベルカーブの左側では、
 糖尿病、不安、焦燥、中毒、鬱、無気力が顕著に増えた

・ベルカーブの右側では、
 いち早く気づき、予防医療に移行し、情報強者となった人々が現れた
 当然ながら、貧富の差も拡大した

そして現在、

・AIを駆使する右側の人々が
・左側の人々を、無自覚のまま管理・支配する構造が
 急速に強まっている

これは陰謀論ではない。
報酬構造の必然的帰結だ。

会社を辞めた理由


私は会社を2018年に辞めた。
今、その理由がはっきりした。
単純なことだ。
会社という仕組みは、即時報酬と他人軸を前提に最適化された装置だからだ。

・評価は他人が決める
・報酬は短期で完結する
・実績はポジションに帰属し、個人には沈殿しない

そこに時間を投下し続ける限り、
自分の人生は積み上がらないと確信した。
皆も知っている通り、退職したら何も残らない。
部長や役員であっても、
会社を離れた瞬間に残るのは、
肩書きと成功体験への執着だけ、というケースが少なくない。

私の結論 ―「世を捨てる」という態度


そして、私が出した結論は、
この世を捨てるという態度だ。

ただし、いわゆる世捨て人になるという意味ではない。

社会から離れて山に籠るわけでも、
人間関係をすべて断つわけでもない。

私が捨てたのは、
世の中が自分を満たしてくれるはずだという期待だ。

やることはやる。
必要な人間関係も維持する。

ただ、
自分が本当にやりたいこと以外には、
時間もエネルギーも使わない
と決めただけだ。

即時報酬に支配されない側へ


即時報酬を断つつもりはない。
糖も、情報も、承認も、この文明の一部だ。

しかし、
それらに支配される側には回らない

即時報酬を含めて、
報酬=欲を使う側に回る

そのために私が集中するのは、
当然のように、

時間投資=遅延報酬

だけだ。

おわりに


今年、私は希望を見つけたわけではない。
救いに出会ったわけでもない。

ただ、

人間の報酬系が、
文明によって過剰に最適化されてしまった結果、
身体も、心も、社会も、同じ壊れ方をしている


という事実と、
それに気づいている人があまりにも少ないという事実を、
はっきり理解してしまった。

朝聞夕死

大好きな炭水化物よ、さようなら!

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嶋﨑剛志
専門家

嶋﨑剛志(農業法人)

農業法人株式会社こうづけの里

色・形良く、艶・張りもある美しくおいしい野菜を育てるため、微生物、有機肥料、化成肥料、農薬など、あらゆる手法を適切に使用。低コストで価値ある野菜を顧客に届け、農業と地方の再生、事業継承にも取り組みます

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