ベンガラ
手のひらから広がる夢。模型で楽しむ理想の空間作り。
ある観光農園から、「子供たちが楽しめるような新しい施設を作りたい」というワクワクするお話を伺いました。
その中に、飲食スペースとしての小さな小屋を作ってはどうかと、今まさにプレゼンを準備しているところです。いくつか案を提案するために、実際の建物の縮尺を小さくした模型を作りました。
最近は図面だけでなく3Dパースも増えましたが、模型作りは私にとって、とてもワクワクする大切なプロセスです。
実際に手を動かして形にすることで、作るのに無理があるところに気づけたり、カメラを近づけて撮ることで「実際の目線でどう見えるか」がより正確に分かったりします。
この模型作りは、実はとても繊細で奥が深い作業なんです。ほんの数ミリの材料を切るのにも、カッターの刃の当て方がわずかに違うだけで断面が斜めになってしまいます。
のり付けも、模型用の「スチールのり」を使い、「どうしたらきれいに付くかな」と指先に集中して、一つひとつ組み上げていきます。
この丁寧な手仕事の時間は、私にとって至福のひとときでもあります。
不思議なもので、模型を作るのに時間がかかる建物は、実際に建てるのも時間がかかります。それだけ加工が大変で、組み上げるのも難しいということ。
手のひらサイズの模型は、現場での苦労を先に教えてくれる、頼もしい相棒のような存在です。
図面で考えている時は「これがいい」と思っていた案が、模型にしてみたら意外と印象が違ったり、逆に「これ、思ったよりいいな!」と驚くほど魅力的に化けたりすることもあります。
模型の中を地面に近い目線でのぞき込んでみると、そこには子供たちが楽しそうに過ごす「生きた空間」が広がっていて、私自身も思わず心が躍ります。
自分の頭の中にあったアイデアが、小さくても形になる。それがお客様にも気に入っていただけて、本当の形になっていく。
自分とお客さんの「いいな」という感覚がピタリと一致した瞬間は、本当に最高に嬉しいものです。
なにより、少しずつ理想が形になっていく過程はシンプルに楽しくて、つい時間を忘れて没頭してしまいます。
子供たちが笑顔で過ごす場所になることを想像しながら、今日も楽しみながら模型を作っています。
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