カモイとシキイ
以前コラムでもお話ししたダンススタジオの改装工事。今回は、その空間に彩りを加える造作家具の製作に取り掛かります。
今回製作するのは、スタジオの顔となる受付カウンター兼用の大きな下駄箱と、子供たちが荷物を置いておくための棚です。
デザインを検討しながら工場で材料を見ていると、以前、新築でも使ったあのナラ材(オーク)が目に入りました。
「このスタジオの顔になる家具には、このナラを使おう!」と即決です。
このナラ材は、飛騨市が進める「広葉樹活用プロジェクト」の一環で手に入れたものです。
これは、地域に豊富にある広葉樹資源を、製材や加工、販売まで地域内で循環させ、建築や家具に新しい価値を生み出すことを目指した取り組みです。
私たちは、この地域の想いと物語が詰まった木材を、責任を持って形にしていきます。
ナラ材の持つ力強く美しい木目を活かし、一つ一つ丁寧に手作業で加工した家具を、完成したスタジオに設置。
家具を見たご夫婦のお客さんは、すぐに「すごい!かっこいい!」と声を上げてくださいました。特にカウンター兼下駄箱を見て、「思ってたよりも大きいね!靴もたくさん入りそう!」と、その機能性にも感激している様子を見て、私たちも嬉しくなりました。
家具を設置し、床や壁に張られていた養生シートを剥がして掃除を終えた瞬間、空間の表情は一変します。鏡に照明、そして新しくなった床が見えると、その広がりと新しさに毎回感動します。
手作りした家具が空間にぴったりと収まり、無事、「Wanna Bee DANCE STUDIO」のすべての工事が完了しました。
この完成したスタジオに、これから集う子供たちが、明るく元気に楽しく、思い切り踊ってくれることを願っています。



