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大橋正寛プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

転ばないためにつくる

大橋正寛

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テーマ:こだわり

最近は、以前からご縁のあるお客さんの家で、暮らしに役立つ小さな工事を続けています。

今回ご依頼いただいたのは、ご高齢のご家族が安心して生活できるよう、車庫から玄関までの階段にスロープをつける仕事です。



今まで階段しかなく、これから年齢を重ねることを考えると毎日の上り下りが大変になるのはもちろんですが、

「転んで怪我をしてしまってからでは遅いので、転ぶ前に予防としてスロープをつけたい」

という、強い想いからご相談がありました。

単に坂道を作るだけでなく、安全で使いやすいスロープを目指しました。特にこだわったのは、お客さんにとっての「使いやすさ」です。



スロープの幅は、車を入れるスペースを考慮しつつ、実際にお客さんの歩きやすい幅をどこまで確保するかをしっかり話し合って調整していきます。



また、手すりは何度も握り心地を確かめながら、ご高齢の方が自然に手を添えられるように丸く丁寧に加工し、さらにお客さんの身長に合わせて高さを決めました。



そして、このスロープには特別な木材を使っています。手すりの一番最初の柱に、以前この家の庭にあった「樫の木(かしのき)」を製材し、再利用しています。



その樫の木は、以前伐採した際に「処分してほしい」と頼まれたものだったんですが、もったいないので製材して残しておいたものを、「再びこの家の一部として役立てる」と、このスロープの柱として、新たに生まれ変わりました。



現場で柱を取り付けている時、お客さんが「これ、もしかしてあの樫の木?使ってくれて嬉しい」と気がついて、とても喜んでくれました。



完成後、実際にスロープを登り降りしていただき、「これなら安心だね」と、とても喜んでもらえました。



普段、僕らの仕事は、今まで「足が悪いから手すりをつける」など、悪くなってから対応することが多かったのですが、今回は違います。



転んでしまう前に、足に負担をかけないよう予防としてスロープをつける。悪くなる前に手を打つことの大切さを、今回の仕事で改めて勉強させてもらいました。

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大橋正寛
専門家

大橋正寛(大工、二級建築士)

ETETORU WOOD 梅津建築

大工として培った高い技術と、建築士の資格を生かし、顧客の暮らしに寄り添った住宅を提案。伝統技術「手刻み」の考え方により、木の美しさを引き出しながら、現場目線で住みやすい設計案を提示する。

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