Wanna Bee DANCE STUDIO
ダンススタジオの改装が終わって、また次の現場へ!
今回は、長い間やらせてもらっていた改修工事の現場に少し戻ってきました。
作業自体は小さなものですが、作ったのは、庭の靴脱ぎ石の前に設置する「濡れ縁(ぬれえん)」です。
この濡れ縁は、リビングから家族が出入りしやすいように、そしてお坊さんが来た時に仏間に上がりやすいように、という二つの役割を考えて設置しました。
この濡れ縁は、木の柱に穴を掘る「ほぞ穴」や、そこに差し込む「ほぞ」、部材を組み合わせるための「切り欠き」といった、伝統的な加工をすべて手作業で行っています。
写真にもありますが、ノミと玄能(げんのう)を使って、コンコンと慎重に、一つ一つ形を掘り出していくんです。
この手作業が、実は奥深いんです。一本ずつは寸法通りに加工できるのですが、これが全部の部材になると、手加工ゆえの微細な誤差が出てしまう。
いざ組み上げようとすると、その誤差のせいで簡単に入らないため調整がいるんです。
そこで、僕たちは見えない部分でほんの少しだけ隙間(逃げ)を作るという工夫をします。
そうすることで、見る人に大事な組手がしっかりくっついて見えるように調整するんです。この「逃げ」の加減が本当に難しく、今回も良い勉強になりました。
完成した濡れ縁は、家の黒い外壁と、どっしりとした靴脱ぎ石の間にスッと馴染み、とてもいい雰囲気になりました。
お客さんに上がってもらうと、「かっこいいね!ここがあると、すごく楽だね」と、とても喜んでいただけました。
見た目だけでなく、家に上がるのがグッと楽になる、暮らしの中のちょっとした工夫です。



