山川製材舎 後編
前回に続いて、短い期間でできる工事を順番にやっています。今回は、各務原市でのダンススタジオの改装工事です。
ご依頼いただいたのは、もともとダンスを教えていた若いご夫婦。
場所を借りて教室をされていたのですが、この機会に自分たちで場所を借りて、本格的なスタジオを作ることにしたそうです。
メインは壁や床の張り替え、外壁の塗装などですが、大工として特に集中した作業が、新しく鏡を取り付けるための壁を起こすことでした。
そして、その新しい壁に、彼らの想いを込めたデザインを施していきます。
実は、ご夫婦のダンスチームの**トレードマークが「蜂」**なんです。そこで、「どこかに蜂の巣のような六角形のモチーフを使えないか」という話になりました。
僕たちは、その要望を形にするために、NCという機械で六角形にくり抜いたケイカル板を壁一面に貼り付けていきました。
このケイカル板というのは、本来は下地材として使うものなんですが、素材の風合いがよく、左官で仕上げたような味わいを出してくれるんですよ。
実際に新築工事の天井で使うこともあります。
この作業が、大変なんですがめちゃくちゃ楽しいんです。六角形のピースを一枚一枚丁寧に貼り、大きな蜂の巣の模様を作り上げていく。まるで大きな作品を作っているかのような感覚でした。
作業を進める中で、ご夫婦が現場に来てくれるたびに、壁や床が仕上がっていく様子を見て、すごく喜んでくれるんです。
「ここに鏡がつくんだ!」「レッスンには何人入るかな?」と、完成後のスタジオで生徒さんと踊る姿を想像して、目を輝かせているのが伝わってきました。
こうして、若いご夫婦の夢が詰まった、世界に一つだけのダンススタジオが形になっていきます。
この場所からどんなダンスや、楽しい時間が生まれるのか、僕も完成が本当に楽しみです。



