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大橋正寛プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

ひのきの床板

大橋正寛

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テーマ:こだわり

8月も終わりが近づいてきましたが、まだまだ暑い日が続きますね。

さて、改修工事もだいぶ進んできて、床板を貼り始めることになりました。今回使うのは、製材屋さんに作っていただいた「桧(ひのき)」の板です。写真をご覧いただくと、一枚一枚に個性があるのがわかります。



今回の床板は「特一(とくいち)」という、節や木目、色合いなどさまざまな表情を持つ材料です。

家を建てる際、節がない「無地」の材料は美しさや希少性から高価になります。しかし、無地の部分だけを取ろうとすると、一本の丸太から使える部分が限られてしまい、多くの木材が無駄になってしまいます。これを「歩留まりが悪い」と言います。



一方、特一は、丸太を余すところなく製材することで、節や色味の違いといった木の表情をそのまま活かしています。これによって、材料に無駄が少なくなり、より手頃な価格で手に入れることができます。

「そんなに表情が豊かな材料だと、仕上がりがバラバラになるのでは?」と思うかもしれません。そこで重要になるのが、板を貼る場所と組み合わせ方です。



例えば、リビングの中心など、毎日家族が集まる場所には、よりすっきりとした木目の板を選びます。

そして、押し入れの中や、家具を置く場所など、普段はあまり見えない部分には、節が多い個性的な板を配置する。そうすることで、それぞれの板が持つ特徴を活かしながら、空間全体を美しく仕上げることができます。



一本の丸太から生まれた材料を、場所ごとに適材適所で使い分ける。この手間と工夫が、家全体の「歩留まり」を良くし、そして何より、一枚一枚異なる木の表情が、この家にしかない特別な温かみを生み出すのです。

あなたがこれから家を見るとき、あるいは木を使った家具や製品に触れたとき、その木がどこでどう使われているか、少しだけ想像してみてください。そこには、一本の木から生まれた、たくさんの物語が詰まっているはずです。

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大橋正寛
専門家

大橋正寛(大工、二級建築士)

ETETORU WOOD 梅津建築

大工として培った高い技術と、建築士の資格を生かし、顧客の暮らしに寄り添った住宅を提案。伝統技術「手刻み」の考え方により、木の美しさを引き出しながら、現場目線で住みやすい設計案を提示する。

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