続くくらし、初まるくらし、
お盆が過ぎても、まだまだ暑い日が続きますね。みなさんはお盆休み、いかがお過ごしでしたか?
僕は今回、神戸市にある竹中大工道具館に行ってきました。実は以前にも一度訪れたことがあるのですが、仕事で茶室の材料を扱う機会があり、改めて勉強したいと思って、足を運んでみたんです。
この道具館は、大工道具を専門に展示している珍しい博物館です。中に入ると、木の香りがふわっと漂い、それだけで気持ちが落ち着きます。今回は特に、茶室の構造がむき出しになった「スケルトン茶室」の模型をじっくりと見てきました。
壁や天井がなく、骨組みがすべて丸見えのこの茶室。普段、僕たちが木を刻んで組み上げる複雑な継手や仕口が、すべて手に取るようにわかります。それはまるで、子どもの頃に作った秘密基地の骨組みを、そのまま見せられているような感覚でした。こんなに緻密な技術が、目に見えない壁の向こうに隠れているんだなと、改めて感動しましたね。
メインは茶室でしたが、それ以外にも新たな発見がたくさんありました。前回は気づかなかったけれど、展示されているヤリカンナで仕上げた木肌を見て「ああ、こういうことになるんだな」と納得したり、ずらりと並んだカンナやノミの刃を見て、「これくらい研げると、切れるんだろうな」なんて考えたり。
以前来た時とは、自分自身の関心も変わっていて、見る部分も変わっていました。職人の目線で改めて訪れると、道具一つひとつに込められた先人の知恵や技が、より深く心に響きます。この道具館は、僕たちのような職人にとって、何度でも新鮮な発見がある、まさに「教科書」のような場所です。



