石積み(石垣)の石材について
先日発生した日向灘を震源とする地震はマグニチュード6.4、最大震度は5強の大きな地震でした。
震源は南海トラフ巨大地震の想定エリア内であり、それに関連した地震の可能性もあるため今後も注意が必要だと思います。
さて、日本に残存する石積みの多くに自然石で積み上げられた空積みの石積み(空石積み)があります。
この空石積みは擁壁の中でも危険な擁壁の部類に入るため、そのままでは家屋の建て替えの許可が出ない場合も多くあります。
写真の様に目地部にモルタルが詰まっていてもモルタルは表面だけであり、内部はスカスカになっている空積みの石積みは多くあります。
表面だけでは判断しにくいのですが、一部のモルタルを剝ぎ取ることなどによって確認することは可能です。
この空石積みが最も危険な状態となるのが「梅雨時期の長雨」と「地震」です。
長雨で石積み背面の土砂が飽和状態となって自立できなった場合、石積みに更なる土圧が発生することとなることで最悪の場合に崩壊するのですが、その飽和状態の時に地震が発生すると危険性は格段に上昇してしまいます。
既に石がせり出している場合や亀裂がある石積みは要注意と言えるでしょう。
近い将来、南海トラフ巨大地震が高い確率で発生すると言われています。
空石積みの擁壁が在るご家庭では、その点検と必要に応じた対策は早期に講じることが望ましいと思います。
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