古い擁壁の危険性について
地震や自然災害の多い近年、我が家は耐震構造なのか、地震には耐えられるのだろうか、など考えることはあると思いますが、意外と気にされていないのが擁壁です。
通常であるならば、建築確認申請を行っているため、健全な工作物が作られているはずですが、中には酷い施工を行っている物件も見受けられます。
写真の擁壁は、既設の現場打ち擁壁の上に増し打ちしている擁壁です。写真でも分かる様に水抜きが殆どありません。
この写真では、既に大きな変状がある状態で上部に増し打ちしていることが確認できます。
擁壁は高さによってその構造が異なるため、高さの低い構造の擁壁に増し打ちをした場合、底盤や壁面の厚さ、鉄筋量などが不足する事となるため、さらなる盛土によって、その土圧に耐えられなくなり、擁壁が倒壊してしまうことも考えられるのです。
ここで重要なことは、たとえ悪質な施工を行っていても施工業者から引き渡されて10年が経過してしまうと住民に管理責任が発生するため、補強や作り替えを施工業者が行ってくれなくなる可能性が高くなるのです。
このように酷い施工を行っている場合は少ないとは思いますが、擁壁も気にされてみると良いかもしれません。
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