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「どうしてこの子は、みんなと同じようにできないんだろう」
「うちの子は、どんな仕事なら自信をもってできるんだろう」
これまで、知的障害のある方々の就労支援をしてきた現場で、そしてそのお母さんたちの支えになりたいと始めたママラボで、何度も聞いてきた言葉です。
同じように、大学でキャリアデザインの授業をしていても、社会に出ることへの不安を抱える学生たちは多く、そして、発達障害を持つお子さんやその親御さんのカウンセリングの場でも、「自分らしさ」と「社会の中での生き方」
の間で揺れる声を聞いてきました。
私が大切にしている理念があります。
それは、「自分らしく生きていける社会の実現」
です。
けれど、「自分らしく」とは、簡単な言葉のようで、とても難しい。
誰かの“正解”を追ううちに、自分の声が聞こえなくなってしまう人が多いのです。
私たちは「声」から、その人の個性や強み、ストレス傾向を可視化するツール —5VOICE.を開発しました。
これは、単なる分析ツールではありません。
声に宿る「本来の自分」
を見つけるための“鏡”のような存在です。
5秒間の声に、その人の想いや考えが映し出されます。
そして、その声の中には「まだ自分でも気づいていない可能性」が潜んでいるのです。
これまでの活動で感じるのは、人はみな”理解されたい存在”
だということ。
ママも、子どもも、学生も、働く人も。
「わかってもらえた」と感じた瞬間に、人は力を取り戻します。
私が関わってきたすべての現場——
就労支援、ママラボ、大学の講義、カウンセリング——
その共通点は、「その人らしさを見つけ、認め合うこと」
でした。
これからの社会に必要なのは、“平均”ではなく“個性”
です。
一人ひとりの声を聴き、そこから可能性を見出す。
それが私たちの仕事であり、使命です。
5VOICE.を通じて、
「自分の声を信じて生きられる人」
「相手の声を尊重して関われる人」
そんな人が少しずつ増えていけば、
この世界はもっとやさしく、もっと豊かになると信じています。
最後に
「自分らしく生きる」ということは、
“誰かのようになる”ことではなく、
“自分の声を聴く勇気を持つ”こと。
その最初の一歩を、私はこれからも、
声とともに歩んでいきたいと思います。



