自然が好きな人へ。どんな家をつくりたいか、まだ言葉になっていなくて大丈夫

時間があると、海へサーフィンに出かけます。
波に乗る時間よりも、実は「待っている時間」のほうがずっと長い遊びです。
うねりの向き、風の向き、強さ。
それらがうまく重ならないと、良い波は立ちません。
こちらがどれだけ頑張っても、
自然が整わなければ、何も起こらない。
サーファーにできることは、
状況をよく見て、待つことだけ。
自然に逆らうのではなく、
ただ受け入れるしかありません。
住宅設計も、それに近い感覚があると思っています。
敷地の条件や周囲の環境、光や風の流れ。
それらを無視して無理につくっても、
どこかに歪みが生まれてしまいます。
自然にはあらがえない。
だからこそ、住宅も無理なく、
その土地が持っている力を受け入れながらつくりたい。
サーフィンが自然まかせの遊びであるように、
住まいもまた、自然と対話しながら形づくられるもの。
うまく整ったときの心地よさは、
どこか波に乗れた瞬間と似ている気がします。



