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網師本大地プロは愛媛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

手形割引 / 割引枠の交渉 / 資金繰り / 銀行交渉 / 建設会社 / 経営コンサルタント

モラトリアム法による返済猶予企業や困窮企業やリスケジュール企業にはいろんな制約が出てくる。

いまだに存在する現場経験のない机上の空論コンサルタント。
建設会社のリスケ交渉をするのに・・・
・手形の割引枠の交渉をしていない。
・工事履行保証(工事完成保証)の交渉をしていない。
・工事担保での融資枠のお願いをしていない。
経営コンサルタントというか再生実務家として、「おこちゃま」「あかちゃん」程度である。
建設業が専門ですという経営コンサルタントの事務所の先生に、まだまだ多く存在するのである。
現場の経験がある経営コンサルタントの先生なら、誰でも交渉をしているような話である。

後からお願いをしても、なかなか銀行も応じれるようなものではない。
悲劇というか加害者にちかいように思う。

こういう案件のセカンドオピニオンで入った時には苦労をする。
経営改善計画書や再生計画書が、ただ数字合わせで銀行に気に入られるような内容にしかなっていない。
銀行から仕事を紹介されている事務所や銀行OBが多い事務所にはこういう傾向がある。

去年に銀行交渉をしていて困ったケースがあった。
四国の田舎の村でリスケ中の建設業関連の業務の会社。
メインが手形の割引枠を設定してくれなくて、準メインが小額の割引枠を設定していたケース。

メインBKは何度交渉をしても・・・
少しでもいいので割引枠を設定してくださいとお願いをしても・・・
「割引きをしないと言っているのではない」
「銘柄と金額に応じて、時々に対応をさせていただきます」
いつもいつもこんな返事である。

結論は、割引枠は設けないし、割引きは一切しません。
そうハッキリと言ってくれる方がありがたいのだが・・・

仕事の形態上、どうしても複数の手形をいただく建設会社であったので、
仕事があって支払いしていただいても、手形を割引きできないと資金繰りがショートしてしまうのである。

ここからが現場の交渉経験である。
あ~、前にも同様の話があったな・・・

ここからが攻防戦である。
まずは、たまたまいただいていた上場会社の手形を持ち込んでみた。
以前に債権放棄を受けたことあるということで、手形の割引きを拒絶された。

1ヶ月後に、2部上場の商社の手形を割引きに持ち込んだ。
株価が200円を割れているので、手形の割引はできないと拒絶をされた。
むかし、100円以下の上場会社は破たん懸念があると言って割ってくれなかったことはよくあったが、200円のルールを言われるとは思わなかった。

つまり、割引きはしないのである。
トヨタであろうと、ソニーであろうと、丸紅であろうと、この建設関連会社が持ち込む手形は割り引かないのである。

こうなるケースは本店の意向もあるが、支店長が本店のイエスマンであるケースが多い。
支店長が債務者である企業側に立って、本店・本部と交渉をする意思がないのである。

再生の可能性や方向性が見えてきた時に、こういう対応をされると腹立たしいものである。
手形の割引枠というのは、資金繰り上どうしても必要である。

こういう話をすると、現場経験のない、知識の豊富な先生から、
下請け債権保全の制度や建設業経営基盤強化の制度などの話が出てくる。
こういう制度を知らないわけではない、何度となくチャレンジを試みてきている。
結論を言うと、銀行がカネを貸さない建設会社には、とてもでないがファクタリングも保証もないのである。
なぜなら、お役所の子会社の株式会社も銀行と同じような審査システムのソフトで判断している。

さてさて・・・
どうするか???

まだまだ、私はあきらめないのである。
次は、メインBKの取引先のA社の手形を割引きに持ち込んだ。
当然、メインBKの手形帳に金額が書かれているものである。
取引先であるから、与信度合いもわかっているので、通常は割引きをしていただけるケースもある。
この手形の割引きも拒絶をされたのである。

サブBKの支店長も担当も・・・
これには、メインとしての姿勢をあきれ果てていたが・・・

メインBKの支店長の言葉は・・・
「自助努力をしてください」
「自社で資金調達の努力をしてください」

やっぱり、そうか・・・
結局は、手形を割引きする意思はないのである。

策はあるので・・・
「自社の努力で、なんとか資金調達を試みてみます」
「信用照会があった時には、よろしくお願いをいたします」
そう聞き分けの良いことを言って帰ってきた。

ついでに・・・
「なるべく支店長さんに迷惑をかけないようにいたしますので・・・」
そう言葉を残し・・・

ここからが現場の実務経験である。
ここまで支店長が冷たいと燃えてくるものである。

A社の売上げ規模、経営内容、社長の性格、リサーチ済みである。
メインBKのA社管轄の支店のランク、つまり銀行内での基幹支店(格付け、重要度)のリサーチ。
A社管轄の支店の支店長の年齢と銀行内でのポジション。

これで、どんな行動に出たか?
A社にお伺いをして、社長さんに面会をして、社長さんに事情説明とお願いをしたのである。
・A社の手形が割引きできないので、手形を現金に換えて支払いをしていただきたい。
・A社の手形の割引きができないので、今後の工事の支払いからは現金にしていただきたい。
・A社には非はなく、我が社の経営内容の問題で迷惑をかけるが、現金条件が受け入れていただけない場合には、今後の取引は遠慮をさせていただきたい。

こんな話を社長さんにさせていただいた。
少しの事情や経緯も説明をして・・・
A社の社長さんは昔堅気で義理堅いが、怒るととても怖い人なのである。

ぽつりと・・・
「うちの会社も安くう見られたもんやの・・・」
「メインBKから見たら、うちもそんなに信用のできん会社やったんやの・・・」
当然、社長はご立腹である。

「明日、うちの支店長に来てもらうわ!」
当然、そんな流れになるでしょうね・・・

どうなったか???
A社の所轄の支店長は事態の収拾にてんやわんや・・・
本店の取締役も社長さんの会社に謝罪に行く羽目に・・・

この社長さんの会社・・・
ほぼ1行取引、取引歴50年、経営内容は抜群、役員になる人は必ず通っていく支店長席である。

リスケ会社の所轄の支店長は大目玉である。
支店長が手形をいただきに訪れて、手形を持って帰って割引きをすることになったのである。

その時にこの支店長は、
「割引きをしないとは言っていないのに・・・」「どうして言ってくれなかったのですか?」
そう言い訳を言いながら、手形を持ち帰ったのである。

オイオイ・・・
まだ言うか? 言い訳を・・・

自助努力に自己調達・・・
これを言ったのは支店長である。

この支店長は私にまで・・・
「先生、どうして一言相談をしてくれなかったのですか?」
そんなことも言う始末である。

心ない、腹のない、銀行員と話をするのは疲れる。
こんな支店長や銀行員ばかりではないのだが・・・

誤解を招くと良くないが・・・
銀行と敵対関係を演出している訳ではない。

お金は貸していただいている。
そう思いながら、金融機関のできる範囲の協力をお願いする。
前向きに、積極的に・・・

できもしないことを嘘つく。
やらないこと、できないこと、そんな答弁には・・・
こちらも、それなりの対応を取っていく。

銀行交渉には・・・
現場での経験が必要になってくる。
本やセミナーやマニュアルには答えは載っていない。

ちょっと気の毒だったのは・・・
この支店長は在任1年で、次の移動で他の支店の副支店長で転勤されていったのである。
こんな些細なことがきっかけではないであろうが、保身のために同じ過ちを繰り返したのであろう。

そもそもは・・・
頭は賢いが、現場の経験のない、経営コンサルタントの事務所が作ったチョンボである。
書類を作成したり電卓をはじいているだけでは、いつまで経っても現場の実務経験はできないであろう。

いろいろあったが・・・
手形の割引きができるようになって、この会社の資金繰りは楽になったのである。

現場ではいろんなことが起きる。
毎回毎回、毎日毎日、案件案件が新たな勉強であり経験である。

私はわからない時は・・・
人脈というネットワークで答えを見つけ出していくようにしている。
人脈という引き出しの中から、プロ中のプロに回答を求めるようにしている。

本やセミナーを参考にしないわけではないが・・・
そこには顧客獲得のための誇大広告もあったり、できもしない大きな嘘も存在する時がある。

こんな話が・・・
去年にありました、そんな思い出し話でした。

終わったことなので、ブログに書いてみました。
参考にならないかもしれませんが・・・

田舎町で起きた出来事でした。


HP:DSKプランニング 
      http://www.dsk-p.jp/

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