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生コン工場 / 砕石工場 / 経営相談 / 企業の再建 / 経営コンサルタント

2011年5月3日

コラムカテゴリ:ビジネス

建設業に関連する業種として生コン工場や砕石工場がある。
民間需要や公共需要の建設投資の影響を大きく受ける業種である。

どちらも・・・
土木工事や建築工事や舗装工事になくてはならない原材料である。

建設業界と同じで経営状態はかなり疲弊している。
アスファルト合材やコンクリートは時間の制約を大きく受ける。
生コンは打設完了までに1時間30分というような制約を受ける。
アスファルト合材にも温度低下などの制約を受けるのである。

これは・・・
どういうことを意味するか?
あんまり遠くまで製品を運搬できないということである。
工場から半径で20キロや30キロ程度が商圏ということになる。

砕石工場も同様に商圏が狭いのである。
砕石骨材はコンクリートや合材のように劣化はないが、悲しいほどに単価が安いのである。
だいたいトン当たり1000円から1300円程度の商品である。
つまり、キロ当たり1円である。世の中の製品でキロが1円というのは砕石の骨材くらいであろう。

輸入の鶏肉でもグラム1円である。
キロ1000円という単価である。
砕石の骨材は鶏肉の1000分の1の単価である。

それなのに・・・
掘削作業場は10haも30haもの敷地を必要とするのである。
工場内には数千万円の重機を何台も使用して、何億円も破砕設備を必要とするのである。
林地開発の許認可、周辺同意、環境問題、いろんな厳しい法律をクリアーしなければならない。

大半の工場の売上高は3~5億円程度である。
旅館やホテルと並ぶ装置産業の典型である。

この装置産業の特徴は何なのか?
損益分岐点を超えるか超えないかで大きな利益の差が出てくるのである。

損益分岐点を超えるためには何をするのか?
固定費を削減という電卓コンサルタントや机上の空論アドバイザーに指導にも正しい部分もあるが、
どうやって売り上げを確保して更に増加をさせていくかということが再生のカギになってくる。

生コン工場も砕石工場もアスファルト合材工場も・・・
建設業と同じように解釈をしている笑うに笑えない泣くに泣けないアドバイザーも多く存在する。
建設業とはまったく違う再建のプランが必要になってくる。

ポイントは・・・
固定費を削減するなら、効率を考え直すことの方が先である。
やみくもに機械も人も数字のつじつまが合うように計算すればいいというものではない。

こんなことも知らないで、多額のコンサルタント料をいただく大手の経営コンサルタント会社も多数存在する。
販売エリアが限られているのに、営業エリアの拡大など言うアドバイザーも存在する。
経営に携わったり、現場での経営指導の経験からすると、あまりにレベルの低い話が多すぎると感じる。

経営コンサルタントの現場での経験からすると・・・
生コン工場で年間2万m3の出荷量、年間の売り上げが2億円、これが下限値である。
砕石工場で年間20万トン、年間売り上げが2億円、これが下限値である。
多少の地域差や地域の事情があるにせよ、この程度の数字がないと損益分岐点を超えることが難しくなる。

唯一、例外的なのは・・・
生コン工場やアスファルト合材工場や砕石工場で組合を結成しているケースである。
生コン組合などは、日本で唯一価格カルテルが認められている組織である。

売り上げが上がらないのなら経費の削減ではない。
まずは効率、つまり組織の作業手順や作業方法から利益率の向上を目指さなければならない。

笑うに笑えないような話であるが、実際にあった話である。
公的期間の再生案件で、東京から立派な銀行営業に強い税理士事務所系が担当をした案件があった。
ある専門家に「この再生計画書をどう思いますか?」と意見を求められたことがあった。
中身を少し見てみると、返済原資が出るように固定費の数字を合わせているだけであった。

呆れるほどのめちゃくちゃであった、計画書の厚さは1センチちかくはあったが・・・
5分見て、中身が空っぽであることが判明をした。
千万単位で報酬をいただいたということを後から聞いて、ブランドって凄いな~と感じた記憶がある。

「この計画書は実現不可能ですね・・・」
そう返事をすると、教えてくださいと言われたので、
「先生は、自動車を一度に2台も運転できますか?」
「この計画書は積み上げてからの固定費の検討がなされてなく、
返済に必要な原資を確保するために大幅な固定費の削減で数字を帳尻合わせをしています。」
「経営陣や役員以外で給料が半分や3分の1になって、どうやって従業員を確保できますか?」

この話を聞き、意味を理解された先生は愕然としていた。
そんな悲しい経営コンサルタントの再生計画書も多く存在するのである。

どうやって砕石工場で建設機械を2台も操縦するのか?
どうやって生コン工場でミキサー車を2台も運転するのか?
どうやってアスファルト合材工場のダンプを2台も運転するのか?

現場の実務を知らない、現場の調査をしない、固定費の積み上げをしない、
こんな机上の空論経営コンサルタントはとてつもないミスを犯すのだある。

それをありがたく受け取る銀行も銀行だが、見抜く能力が備わっていない銀行員の組織にも問題がある。
プライドも高く、銀行の掟以外を信用せず、それでは現場力は身につかないと思う。
銀行でも経営支援部やコンサルティング部に所属をしたことのない、
融資や審査の部門ではとてもとても現場での経営改善や経営指導は不可能だろうと思う。

以前にあった話であるが、許認可の更新には融資証明が必要で銀行に2億円の証明を依頼したら、
現状の経営内容ではなかなか対応が難しいと返答がきたので、
「許認可が更新できなければ、この砕石工場は倒産しますよ!」
そう返答をしたら、銀行の融資担当や本店審査部にビックリされた経験がある。

許認可事業で許認可が取り消されれば、即座に倒産、破産、廃業である。
これが現場での出来事である。

実現可能性のある抜本的な再生計画、
銀行のコンサルティング機能、
銀行の目利き能力、
そんなことを金融庁は叫んでいるが、なかなか実務を経験の機会を得るのは難しいであろう。

銀行や銀行マンを批判や非難しているのではない。
金融機関でもコンサルティング部や支援部で現場の実務経験のある方は、
とてつもなく見識があり勉強にさせていただいている方々も多数存在することも事実もある。
銀行OBになられたてから幾多の現場経験をされている先生方も多数存在することも事実である。

何を言いたいのかというと・・・

建設業界は厳しい状況にある。
今年は一段と厳しくなっていく。

生コン工場や砕石工場で・・・
去年と今年で20%~30%も売り上げや出荷が落ちたなら・・・
とてもじゃないが、経営が成り立たないと感じる社長さんがいたなら・・・

お盆まで工事が出なければ資金が回らないと感じたなら・・・
6月や7月の手形の決済ができないと感じているなら・・・

今から行動を起こさなければならない。
時間がなくなればなくなるほど、打てる手立てはすくなくなっていく。

建設業界の製造工場は特殊である。
現場を知っている専門家に相談に行ってほしいと思う。

間違っても、1人で2台の機械を運転しなければならいような計画書を書くコンサルタントには行かないでほしい。
日本中に知識も経験も豊富な経営コンサルタントは多く存在する。

怪我も病気も早いうちなら・・・
少しの痛みや我慢で治せるであろう。。。

悩んでいるなら・・・
少しだけでも動いてみてください。。。


TMアシスト ~復興への事業再生アシスト~
    http://www.tmajapan.org/jp/index.html


HP:DSKプランニング 
    http://www.dsk-p.jp/

この記事を書いたプロ

網師本大地

現場第一主義を貫く中小企業再生のプロ

網師本大地(DSKプランニング)

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