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小さな工務店 / 再生の兆し / 経営コンサルタント


経営コンサルタントとして、クライアント企業に再生の兆しが見えてきたときは嬉しい。
他人の私が嬉しいのだから、社長さんや奥さんはもっともっと嬉しいであろう。

立派な厚い経営改善計画書ができたら再生ができるのではない。
社長や奥さんや従業員さんが確かな手ごたえで・・・
「なんとかないそうな気がする。」
「たぶん、やっていけそうな気がする。」
そういう気になった時に再生の兆しが見えるのであろう。

2年ほど前に知り合った工務店の社長さんも・・・
大きな波やアクシデントが度重なった。
社長が事故に遭い数ヶ月間の入院、その間に不渡り手形をもらい、資金繰りがどうにもならなくなった。

そんな状況になったら・・・
中小企業診断士の経営コンサルタントの先生が・・・
弁護士先生のところに行きなさいと言い、そのまま会社に来なくなってしまった。

ひどい話ではあるが・・・
その地域の建設業再生のパイオニアやリーダーを自負する大先生が・・・
さっさといなくなってしまったのである。

ある先生から紹介をされて・・・
私がセカンドオピニオンというかラストオピニオンというか・・・

いろいろあった。
社長が入院中は社長の代役もやった。
社長の代わりに奥さんと銀行交渉にも行った。
毎月毎月綱渡りの資金繰りを1年以上も続けた。

再生企業や困窮企業や倒産間近企業では多くの望みは叶えられない。
社長と奥さんに初めて会った時に、多くの望みはかなえられないが、
最悪を想定をした中で一番の望みは何かと聞いたのである。

その時に、奥さんが・・・
「娘が中学を卒業するまで2年弱です。」
「それまで、なんとか、会社はもたないでしょうか?」
「義務教育が終わるまで、学校を転校せず、この家から通わせてやりたいです。」

私も答えた・・・
「それなら、なんとかできるでしょう。」
「ただし、そのためには社長や奥さんが苦しいことや辛いことにも耐えなければなりません。」
「それができるという覚悟があるなら、会社を2年間継続させる約束をしましょう。」

この答えは再生の答えではないかもしれない。
クライアントに延命という約束をしただけかもしれない。

もうすぐ娘さんが中学を卒業する。
しかし、会社は破産も廃業もしていない。
綱渡りの資金繰りの状況も脱出できそうな状況である。
取り組んでいた新しい事業の柱も実をつけつつある。
もう1年もあれば、どこにでもある普通の経営内容の工務店になるであろう。

社長や奥さんの笑顔が嬉しい。
こんな時には、経営コンサルタントも嬉しいのである。

腹が立つのは・・・
会社があることを風の便りに聞いて、町の大御所の大先生が顧問の話をしてきたことである。
当然、社長も奥さんも断ったらしいが、私同様に腹がたったようである。

私が知っている中小企業診断士の先生には立派な方が多いのだが・・・
ブログを行ったり来たりしている先生にも尊敬ができる方が多い。
中にはこんな残念な大御所大先生もいるのである。

現場で再生や破産を経験した経営コンサルタントは、改善も戦略もマーケティングも対応できる。
改善や経営相談しかしていない経営コンサルタントは再生業務はまったくできない。
私はそう思っている。。。

再生の兆しが見えたら・・・
発展の戦略を練り直し、戦術を立てていく。
この部分の仕事をする時にはワクワクしてくる。

こんな時には・・・
経営コンサルタントの仕事をしていて良かったと思える。

最近の・・・
ちょっと嬉しかったことである。

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