運送業や住宅会社の経営改善や事業再生、現場での実務と償却前営業利益の話
曲がりなりにも経営コンサルタントなので、北から南へあっちこっち出かける。
建設業関係の再生案件は、ほとんどがセカンドオピニオンである。
セカンドオピニオンというのは、どこかの経営コンサルタント会社が入っていた。
けど結果が得られないので、違うコンサルタントに相談や依頼をするということである。
試験勉強で学んだ中小企業診断士の知識が役に立たなかった、
銀行での行員としての経験が役に立たなかった、
そういう指導ケースの再手術・再治療ということであろうか?
資金繰りの相談があったとする。
知識と数字が中心になると、この数字を削って、これも削って、
ハイ! これで資金繰りは改善されるでしょう?
なんという指導をする経営コンサルタントがいる。
それはどのようにしたらいいのですか?
経営者が聞いたら、この数字に納まるようにしてください、
それが経営コンサルタントの返事だったりする。
大手の経営コンサルタントのサラリーマンの子に多いタイプである。
こういうコンサルタントの事務所では知らない?とは言ってはいけないのである。
嘘でも知らなくても分からなくても、即座に何かを答えるという教育をするのである。
悲しい限りである。
資金繰りの改善とは、何をするのか?
会社の当座預金に手形の決済日に、1日でも早く、1円でも多く、
これができれば不渡りや倒産は起きないのである。
経営者はこれを望んでいるのである。
数字の帳尻合わせを望んでいるのではない。
支払日、手形の決済日、給料日、この確認をする。
自社の締め日、集金先の締め日・支払日、この確認をする。
そこから見えてくるお金の山と谷を見つけて資金繰りの改善をする。
現場で実践で泥の船(沈みそうな船)を漕いだ人にはわかる。
なーんだ? そんなことか知っているよ! という感じであろう。
しかし、である。
これを知らない優秀な先生は多い。
売掛金の入金、買掛金の出金、経費の出費、こんなタイムバランスを知らない人も存在する。
こんな指導を受けたら、不幸である。
現場の経験や体験が多くなると臆病になることがある。
現場に行かない方は、平気で本やセミナーの知識を現場で実践したりしてしまう。
目新しいことを競いあったりするのである。
悲しいことである。
現場=会社は、大学病院の臨床実験の場や学界の発表のための研究の場所ではない。
そして失敗をする、私は正しかった、社長と会社が悪かった。
反省をしないから、また同じ過ちを繰り返す。
資金繰りとは、数字を小さくすることだけが解決方法ではない。
▲を+にしたら、資金繰りの改善が終了したことではない。
その月の間に不足が発生したら会社は倒産である。
時間の流れを見えない指導をする先生がいるのである。
「勘定合って、銭足らず・・・」
そんな事態が起きたら不幸としか言いようがない。
本当の資金繰り指導とは、
大切なのは「お金をコントロールする。」ことである。
机上の空論や、現場に出向かない、行ったことがない、
そんな経営コンサルタントの人には意味が不明であろうと思う。
現場に行かれる方には、なーんだそんなこと? 何を今頃そんなことを?
そんな低いレベルの経営コンサルタントの実践再生指導要領でした。
お粗末でした・・・