運送業や住宅会社の経営改善や事業再生、現場での実務と償却前営業利益の話
最近、建設会社の経営相談が増えてきた。
特にセカンドオピニオンの相談が増えてきた。
経営コンサルタントに経営改善計画書を書いてもらった。
モラトリアム法に基づいて返済猶予を受けることになった。
しかし、経営状況が改善されないという相談である。
なぜなのか?
建設業を得意とする、建設業を専門とする、経営コンサルタントに依頼をしたのに・・・
相談者の話を聞いていくと・・・
*銀行に工事担保での運転資金融資の交渉をしていない。
*銀行に工事完成保証(履行保証)の交渉をしていない。
*受取手形の手形の割引枠の交渉をしていない。
(当然、支払手形の格付けを落とさない交渉もできていない)
オイオイである!
経営改善計画書の提出前の事前交渉時にか、提出時に同時に交渉する内容のものである。
現場で再生実務をやられている先生には・・・
「何を今さら・・・」「当然のことやろ・・・」とお叱りを受けるかもしれないが・・・
建設業が専門です。
建設業者向けのセミナーも数多く開催しております。
建設会社の社長さん向けにメルマガもブログもかいております。
それでもこの程度の実務の経験なんですよ。。。
うちの経営コンサルタント事務所って・・・
俺様経営コンサルタントって・・・
凄いんだよとPRしているんですが・・・
建設会社の銀行交渉の初歩の初歩も知らずに・・・
経営改善計画書を銀行に提出をして、後にクライアントさんの会社に資金繰り難の悲劇をもたらす。
こんな「後の祭り」の経営相談が増えてきた。
後からでは、どうすることもできないのである。
事前になら、「交渉ができるテクニックもあったのですが・・・」、そうしか答えられない。
去年も何件か同様の相談があった。
今年も同じような相談があった。
診断士の先生や銀行OBが、業界事情を知らなかったのでミスを犯したとのは意味が違う。
マニュアルや本やセミナーには書いていないことだから仕方がない。
建設業が専門で得意な経営コンサルタントを謳うなら・・・
それはミスでは済まされないような内容である。
特定建設業の許可更新なども同様である。
経営事項審査の相談についても同様である。
「特定建設業許可が更新できなくて、一般建設業許可になっても仕方がないですね。。。」
その許可が企業の生命線になるのに、仕方がないでは答えにならないと思う。
「経営事項審査のランクが一つ落ちても仕方がないですね。。。」
飯のタネがなくなるのに、仕方がないでは答えにならないと思う。
現場で泥の船を漕いだことのない、修羅場の経験のない、人脈のない、
経営コンサルタントが間違いを犯して企業を衰退をさせていくのである。
建設業向けの原価管理ソフトや会計ソフトを高価で売りつけても、
新しいFCビジネスで新分野進出を高価な紹介手数料で売りつけても、
工事原価70%や粗利率30%をできるようにウソぶいても、
1~2年後に結果や出口が見えなかったら大ボラ詐欺と変わらない。。。
・建設業は労働集約型産業で単品製造業である。
・企業再建は「ヒト」次第である。
・企業再生には痛みも伴うし血も流れる。
日本中に素晴らしい再生実務家の先生はたくさんいます。
納得ができるまで、何件でも相談に行ってみてください。
きっと素晴らしい先生に出会えると思います。
借りたカネです。
待ってはくれても、そう簡単にチャラになることはありません。
頑張りましょう!
そんなフレーズだけでは企業再生はできません。
決算書見て、電卓叩いて、比率や係数を出しても・・・
それは過去の数字であり、そこにはヒントはあっても答えはありません。
助からない会社には、静かに廃業の話をする親切もあります。
延命と再生とは話が違います。
いい出会いをしてください。
最近、私が感じている現場の雑感でした。
DSKプランニング
HP : http://www.dsk-p.jp/
マイベストプロ愛媛 / 私の紹介記事。。。
https://mbp-japan.com/login