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赤字の受注 / 止めるべきか? / 経営コンサルタント


建設会社の再生案件に行くと必ず出てくる赤字受注の是非。

「赤字受注は良くないですね」
「赤字物件は受注しないようにしましょう」
こんなアドバイスをする経営コンサルタントや士族の先生が存在する。

公の機関の相談員やアドバイザーの答えに多い。
正しいようだが間違っていると思う。

特に建設会社の業務改善の場面では間違っている。
労働集約型産業で単品製造業である。

赤字でも受注が必要である。
お金が血液だとしたならば、体の中を流れる血流が減少したら、
体がどうなっていくかはお分かりであろう。

体の大きさ=会社の大きさが維持できなくなっていくであろう。

技術者が工事台帳の中の経費だとしても、
それは固定給であり、つまり固定的な経費である。
売り上げが無くても、売り上げが減っても、支払わなければならない固定的な経費である。

赤字受注はどうすればいいのか?
見積もり段階や実行予算段階で赤字ならどうすればいいのか?

答えは簡単である。
現場が終了した時点で赤字が解消されていれば良いのである。
この指導ができない、だから経営コンサルタントが土建屋の再生に役立たないと思われている。

どうしても赤字で終わる現場なら、時間軸から資金コントロールをして、資金繰りに貢献させればいい。

今、建設会社に対してのコンサルタント指導は、
FC推奨や新規事業やリストラなどでお茶を濁している。

赤字の解消の手法は何通りかある。
指導方法は伝えたところで現場がわからないと実践できないので省略する。

例えば、実行予算段階で赤字が10%。
ゼロやプラスにできなくてもマイナス3%になったとしたら・・・
プラス7%の改善ということになる。

利益を出す、赤字を出さない、これは大切なことである。
赤字ならばプラス方向に改善していく、そうすることでこの現場は赤字に終ったとしても、
このような取組みが1年間を通じて続けば明らかに3%や5%の利益率の改善になる。

結果、通年で黒字化が達成されていく。

もう一つ大切なことは、お金の支配である。
つまり、お金をこちら側でコントロールをするということである。

*** 私の口癖 ***

1円でも多く、1日でも早く、必要な日に、
お金が会社の口座にあれば会社は倒産しない。

現場の所長が、現場でお金の入出金をコントロールする。
これはお金を管理していることは意味が少し違う。

各現場で出金より入金が大きければ、全現場を経理に集めた段階ではプラスになる。
現場の指導方法を知らない人には??? であろう。
現場での実践経営コンサルタントをしている人には、なるほど!!!という程度の話である。

こうなれば、運転資金の融資の必要性がなくなる。
結果、短期融資の必要性もなくなり、金利分が年間利益に変身していく。

このようなことを現場では指導していく。

できないこと、やらないこと、良い訳、現場ではこんな反対の言葉や態度がである。
その中で、モチベーションを上げ、知恵を出す仕組みを作り、お金に固執する、
そんな会社に変身させて作り上げていくのである。

建設会社の再生は難しいと思う。
なかなかマニュアル化ができない業種である。

B/S再生なんて言っている方が簡単である。
P/Lの改善、つまり売り上げと利益を厚くしていく、そう簡単な仕事ではない。

人という扱いが一番難しい。
そう変われないのが人間である。
会社の中から変わろうとすることは限界が出てくる。

再生には血が流れる。
流れる血を現場で見たことのない人に、現場で流れる血の痛みはわからない。
だから、経営コンサルタントには現場の経験が必要である。

机上の空論で再生はできない。
電卓で過去の数字を計算しても再生はできあに。
事務所で座って訪ねてきた人の話を聞いたって、問題の抜本的な解決はできるはずがない。

赤字受注はよくない。
しかし、赤字受注が必要な瞬間がある。

このバランスは難しい。
まだまだ勉強中で試行錯誤を繰り返している。
これだけはだれにも負けない、そう言える経営コンサルタントになるために・・・

多くの答えは再生現場でしか学べない。
本やセミナーやCDの薄っぺらい知識は使えない。

100社あれば100の問題がある。
まだまだ道の半ばである。
たぶん、一生、現場で学ばなければならないであろう。

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