運送業や住宅会社の経営改善や事業再生、現場での実務と償却前営業利益の話
知り合いの銀行員Aさんからの相談。
再生業務で知り合いになり、今もときどき情報交換をする関係。
事業再生の勉強会やセミナーでもときどき顔を会わせている関係。
とっても真面目で顧客思いの熱い人である。
会って相談を聞いてほしいという電話があり、
いよいよ銀行本店の再生支援部を退職をして独立をするのかと思ったら、
自分の親類の会社の相談を聞いてほしいという内容。
先日、時間の都合をつけてお会いをしたら、
そこには銀行員Aさんとそのお兄さんが・・・
建設会社を営んでいる兄さんの会社が資金繰りが厳しい。
銀行員Aさんのお金も貸しているらしい。
年末の資金をまた借りにきたので、内情を詳しく聞いたら、資金ショートが目の前にという状況。
今後の受注見通しも厳しい。
利益率の低下や赤字工事の受注も当面の課題である。
このままでは将来の見通しがない。
Aさんもプロである。
倒産・破産・廃業がいいのか? 再生・延命がいいのか?
兄弟で一緒に考え、話し合いをしたらしい・・・
しかし、融資先の会社の社長にアドバイスをするのとは冷静感が違う。
Aさんのアドバイスも兄弟だけに、
「中小企業の社長の気持ちが銀行員にわかるもんか。」
「じゃー、どうすれば会社が助かるのか?」
「具体的に答えとアドバイスをしてくれ!」
そういう兄弟間の感情論になり答えが出ない状況。
Aさんも・・・
困り具合や悪さ具合を判断をすることはできるが・・・
廃業をした方がいいのか? 存続をしたほうがいいのか?
兄弟の会社だけに、これだという結論が出せない状況。
そこで・・・
かんな状況の答えを聞けるのは・・・
私しかいないという結論になり、兄さんを連れてきたらしい。
銀行の再生支援部にいるから・・・
再生の経営コンサルタント会社も中小企業診断士の先生も・・・
いろんな再生実務家をたくさん知っているのである。
その中で・・・
こんな困窮状態の修羅場の会社をお願いできるのは・・・
なぜだか? 私しかいないとすぐに思ったらしい。
ありがたいことではあるが・・・
専門的な再生知識のある方が厳しい状況と思うのであるから・・・
戦略や改善を再生だと勘違いしている領域の再生話ではない。
経営改善計画書や再生計画書を分厚く書いて終わりの再生話ではない。
会社が将来に向かって生き延びるために再生しなければならない。
相談員やアドバイザー程度の実力で答えが出せる内容ではない。
「頑張ろうコンサルタント」や「電卓コンサルタント」に対応ができる案件ではない。
助かる命なのか? 助からない命なのか?
机上の空論ではない、現場で泥の船を漕いだり、三途の川を渡らせたり、そんな中からの答えが必要である。
私が再生の見込みがないと思うなら・・・
その時は、兄さんに覚悟を決めて会社を閉めなさい、そうきつく助言をしていた。
お兄さんの会社に対する思いを聞いて、
どこまでできるか? 可能な限りトライをして、やってみることに決定。
士族の先生方や金融機関の方から紹介をしていただけるのはありがたいことです。
しかし、その期待に応えるためのプレッシャーは大きい。
さてさて・・・
年が明けてのスタートではあるが・・・
とてもヘビーな案件のスタートです。
けれど、社長が変われば再生は可能な状況だと思っています。